スニーカーにまつわる噂話のあれやこれやをアトモスの本明秀文CEOに聞く連載。ファッション業界でも昨今、大きな話題となっている値上げ問題。当然その影響はスニーカーにも及んでいる。生活コストが上がっていく一方で、なにせ給料が上がらないのだから、可処分所得は下がるばかり。それでも感覚を研ぎ澄ませておけば、儲けのヒントが見つかるかも。今回は常に鼻を利かせておこうという話。スニーカー業界も不況の臭いがプンプンする!? (この記事はWWDジャパン2022年7月25日号からの抜粋です)
本明秀文CEO(以下、本明):インフレによる物価上昇で、スニーカーも御多分に洩れず定価が上がっている。僕が商売を始めた26年前、“エア ジョーダン1(AIR JORDAN 1)”は1万4000円(税抜)だった。それが今は1万7500円か、ものによって1万9000円。“エア フォース1(AIR FORCE 1)”は9000円だったのに、1万円、1万1000円と徐々に上がって、今度は1万2000円になるかも。“エア ジョーダン”の“レトロ”シリーズなんて、今や2万円オーバーが当たり前になっているからね。
――中高校生が気軽に買えるようなスニーカーではなくなりましたよね。なぜ、こんな状態になるんでしょう?
本明:昨年あたりから原料や輸入コストが増加していて、これまでの2割ぐらい上がっている。だからブランド力の高いメーカーは、それに応じてどんどん定価を上げていく。当然、上げられないメーカーもあるから、スニーカー業界は本当に転換期なんだと感じるよ。
――少し前まで、円安だから日本から海外にスニーカーを二次流通で流せば儲かるかもって話していたのに、これだけ国内で物価が上がると難しそうですね。日本の方が安いものは何かと考えても、外食ぐらいしか思い浮かばないです。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
購⼊済みの⽅、有料会員(定期購読者)の⽅は、ログインしてください。