30代、40代の女性を中心に、白髪を暗く染めるのではなく、白髪の周りの髪をブリーチで明るくして白髪と同化させる「脱白髪染め(白髪ぼかし)」が人気を集めている。また、セルフカラーリングをできるカラートリートメント、ヘアマニキュアの売れ筋も好調のようだ。「サイオス(SYOSS)」を展開するヘンケルジャパン、「ルプルプ(LPLP)」を展開するスタ―ジュ、「綺和美(KIWABI)」を展開するスリーエムに商況を聞いた。
―――6月のカラートリートメントカテゴリーの売れ行きは?
ヘンケルジャパン:「サイオス」“カラートリートメント”(180g、税込877円※編集部調べ)は、今年春レディースの新色追加、並びにフォーメンシリーズの新発売も功を奏し、前年比を上回る売り上げとなっている。(PR緒方亜希氏回答、以下同)
スタージュ:6月は、弊社の定めた目標値に対して約120%を達成した。(PR植田佳代子氏回答、以下同)
スリーエム:2022年上半期の売り上げは、昨対比91%増と好調に推移している。(田村尚久スリーエム代表取締役回答、以下同)
――― いちばん人気のカラーは?
スタージュ:“ルプルプ エッセンス カラートリートメント アッシュブラウン”(170g、税込3630円)が販売と同時に、カラー別売り上げ構成比1位となった。
スリーエム:“ROOT VANISH 白髪染めカラートリートメント ダークブラウン”(150g、税込5478円)は、22種類の天然植物由来エキスを使用し、ヘアケアしながら白髪染めができると好評だ。ダークブラウンは肌に馴染みがよく、失敗しにくいと言える。また、白髪染め初心者にオススメのカラーだ。
ヘンケルジャパン:「サイオス」“カラートリートメント ダークブラウン”(180g、税込877円※編集部調べ)だ。女性の約7割の方がヘアカラーをしているというデータもあり、根元のリタッチとして使用する場合、最もなじみやすい色。全体的にカラーリングする場合でも、少しブラウンがかった色味の方が、自然な仕上がりになるところも人気の要因だ。
――― グレイヘアへの関心の高まりから、30〜40代のカラートリートメント購入者も増えていると聞く。顧客は、世代別ではどのような分布になっている?
ヘンケルジャパン:2021年12月末 SOO ID POSデータによれば、“サイオス カラートリートメント”購入者のうち、30代、40代が約40%を占めている。ちなみに50代は約37%だ。30代、40代は白髪染めとファッションカラーのはざまで悩む年代だと思う。また、白髪悩みは顕在化しているものの、「美容室で白髪染めするほどでもない」「美容室で白髪染めするのは恥ずかしい」「美容室の次回来店までに、白髪に対応処置しなければ」という気持ちも持ち合わせており、ホームケアで何とかしようという心理が働いているのも一因だと考えている。
スタージュ:30代は5.4%、40代は32.3%だ。
スリーエム:“白髪染めカラートリートメント”の購入者は、20代は2.5%、30代が22%、40代が42%、50代は25%、60代は8.5%だ。また、男女比は男性27%、女性73%となっている。
――― グレイヘアにまつわるトレンドの兆候は?
ヘンケルジャパン:男性の美容意識の向上から、白髪ケアに対する意識も上がっている。3月にブランド初となる男性向けの「サイオス」“カラートリートメントFORMEN”(180g、税込935円※編集部調べ)を発売し、発売から3か月で年間の配荷目標を達成し売り上げも順調に伸びている。“FORMEN”はもともと高めの目標設定だったにも関わらず、6月時点で前年比12.7%増の達成率、「サイオス」全体では前年同月比24.9%増となっている。
スタージュ: “ルプルプ エッセンス カラートリートメント アッシュブラウン”(170g、税込3630円)の特徴は、従来の白髪染め=暗いという概念を覆す、白髪を活かす抜け感のある色合いだ。この人気ぶりから、ただ白髪を染めるのではなく、染めると同時にグレイヘアを前向きに楽しむものへと変化しているのではないかと思う。
スリーエム:日本でも、頭皮・髪の毛の痛みを気にしてナチュラルなケアに移行する人、「白髪=老い」という固定概念に縛られることなく、自分らしさの一つとして受け入れる人が増えている印象だ。ただし、ナチュラル=グレイヘア=ほったからし、と誤解している顧客もいるので、美しいグレイヘアを保つには適切なケアが必要だと伝えたい。