「アットコスメ(@COSME)」を運営するアイスタイルの2022年6月期連結決算は、売上高が前期比11.2%増の344億円、営業損益が4億5300万円の赤字、(前期は6億400万円の赤字)、経常損益が5億9300万円の赤字(同7億9500万円の赤字)だった。ビューティーサービス事業は店舗が復調し売上高が前期比53%増、セグメント全体で同32%増と躍進した。グローバル事業はロックダウンによりEC・卸売が同24%減と減収するも、継続的な収益性改善策が奏功し、赤字幅は限定的だった。
事業別では、「アットコスメショッピング(@COSME SHOPPING)」や「アットコスメストア(@COSME STORE)」、大型旗艦店「アットコスメ トーキョー(@COSME TOKYO)」の運営など国内の小売業を中心としたサービスで構成するビューティーサービス事業では、3月のまん延防止等重点措置解除後から来店客数が増加し増収。ECもスペシャルイベントである「アットコスメ ビューティ デイ(@COSME BEAUTY DAY)」の売り上げ拡大を含む成長が寄与し、売上高が同19.9%増の219億円、営業利益が3億3800万円(同2億7100万円の赤字)と黒字転換した。
「アットコスメ」を中心としたサービスで構成するオンプラットフォーム事業の売上高は同4.8%増の73億円、営業損益が9億300万円の赤字だった(同1億5700万円の黒字)。新型コロナの影響でメーカー側の予算が引き続き保守化し、計画に対して乖離が発生するも売上高は前年同期を上回って着地。営業利益では、ソフトウエア償却費の増加など販管費が増加したものの、前年同期比で改善した。グローバル事業では、不採算事業の撤退、中国でのロックダウンにより一時的に大幅減収。韓国事業の不調も影響し、売上高が同8.9%減の42億円、営業損失が2億900万円(同1億5700万の赤字)だった。
なお、21年8月に子会社化した韓国のGlowdayz(グロウデイズ)社の株式取得に際して発生した段階取得に係る差益1億1400万円を計上し、特別利益は2億800万円となった一方、海外店舗の収益性の低下に伴う減損等による減損損失2億1100万円を計上したことなどにより、特別損失は3億500万円となった。
そのほか、同社は8月15日、米国アマゾンおよび三井物産と業務資本提携を結んだことを発表した。無担保転換社債型新株予約権付社債などの発行により、約183億円を資金調達。グローバル事業拡大を加速させる。