三越日本橋本店の時計催事「第25回三越ワールドウォッチフェア」が17日に開幕した。店内の複数の会場で30日まで開催する。既存の時計売り場と合わせて約60ブランドが出品し、全国の時計ファンにアピールする。時計人気の追い風に乗って、過去最高の売上高を見込む。
同店の時計催事は、全国の百貨店の中でもトップクラスの規模と売上高を誇る。今回は、本館6階の時計売り場「ウォッチギャラリー」で新作や限定品の取り扱いを増やすとともに、本館7階の催し物会場(22日まで開催)、本館1階のイベントスペース「ステージ」にも会場を広げた。ウォッチギャラリー内には「ウブロ(HUBLOT)」の期間限定ブティックを設けた。催し物会場には「レゼルボワール(RESERVOIR)」と「G-SHOCK」のブティックを開いたり、「グローブ・トロッター(GLOBE-TROTTER)」の時計ケースやウイスキーなども展示する。ライオン口の正面入り口前のステージでは「オメガ(OMEGA)」の特別展示を行う。
高級時計市場はコロナ下で好調が続く。三越ワールドウォッチフェアは2020年、21年と2年連続で前回開催に比べて1.5倍の売上高を達成した。今回もすでに外商顧客から1億円を超えるモデルの事前受注が入るなど、前回実績の12億円を上回るのはほぼ確実と見られる。
同店の時計売り場の売上高も2022年1〜7月まで前年同月比1.5倍ペースで推移している。ディープな時計マニアだけでなく、新しい客層が増えていることが大きい。担当の山本愛理バイヤーは「特に30代の男性のお客さまが増えた。以前はファースト・ラグジュアリーウォッチ(最初に買う高級時計)は、100万円以下が相場だったが、今は200万円を超えるケースが多い。出産した女性が『将来、娘に引き継げるもの』として高級時計を購入するケースも増えている」と説明する。