ファッション

「パタゴニア」が初の循環型Tシャツ発売 回収した古着を再生

 「パタゴニア(PATAGONIA)」は、フィンランド発のスタートアップ企業インフィニテッド ファイバー(INFINITED FIBER)と協業し、回収した古着を再生した初の循環型Tシャツ「ティーサイクル(Tee-Cycle)」を発売した。ボタニカル柄や幾何学柄を施したメンズ4型とウィメンズ2型で、ガーデングリーンやプルームグレーなどの落ち着いた中間色をそろえる。価格は税込6600円(49ドル)。

 素材には、パタゴニアが直営店で実施する衣料回収プログラム「テイクバック・プログラム」を通じて集めた自社のコットン古着を用いた。インフィニテッド ファイバーの特許技術を用いて、回収した古着をセルロース繊維「インフィナ(Infinna)」に再生し、パタゴニアの自社工場から出る端材と混紡して製作した。縫製工程においてはフェアトレード認証を取得しており、同コレクションを製造するメキシコの工場の従業員には、追加の賃金が支払われている。

 「パタゴニア」のケイト・ハデカ(Kate Hadeka)=プロダクト・マネジャーは、「今回の取り組みは当社の古着回収プログラムを、サプライチェーンに再び生かすことができた最初の事例だ。業界に先例を示して、繊維廃棄物の問題解決と循環型経済の促進に貢献したい」と述べた。今後古着の活用の幅をTシャツ以外にも広げ、最終的にはバージン素材の使用を減らし循環型の製品開発を進める方針だという。

 同社が複数年契約を結ぶインフィニテッド ファイバーは、「インフィナ」の商業規模生産に取り組む。バルト海の北岸には、4億2000万ドル(約575億円)を投入して大規模工場を建設しており、1億枚のTシャツに相当する3万トンの繊維の生産体制を整えている。すでに「アディダス(ADIDAS)」や「ザラ(ZARA)」などの企業に販売している。


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