三井不動産が大阪・堺に建設中の郊外型ショッピングモール「三井ショッピングパーク ららぽーと堺」の開業日が11月8日に決まり、施設概要などの説明会が29日、現地で行われた。
地上3階建ての店舗棟は約9万200平方メートルで、そのうち店舗面積は約5万平方メートル。ファッションからインテリア、日用品、食物販、レストラン・カフェまで212店舗が出店する。関西初出店33店を含む97店が堺市初出店。他のららぽーとの施設に比べて飲食の構成比率が高めで、フードコートのテナントを含めると飲食店は全体の2割を占める。多様化するニーズに対応し、食事や買い物だけでなく、イベントを通じた新しい体験を提供することをめざす。
中でも注目は1階中央の吹き抜け空間に設けた屋内型スタジアムコート「ファンスタクロススタジアム」。Xスポーツやダンス、3人制バスケットボールの3×3(スリーエックススリー)などのスポーツイベントのほか、音楽ライブやeスポーツなど幅広いエンターテインメントベントが開催され、約1400人の観覧が可能だ。中央には国内商業施設の屋内型ビジョンとしては最大級の横型メインビジョン、2階壁面には全長58.5mのリボンビジョンが設置されたほか、本格的な音響・照明設備を完備し、本物のスタジアムさながらの臨場感を演出する。
スタジアムコートを取り囲むように、階段ベンチ席を含む約380席を有するフードホール「サカイ フード スタジアム」が併設され、イベントを観覧しながら飲食を楽しめるのも大きな特徴。スタジアムコート全体では2500平方メートルの広さとなる。飲食ゾーンとしては、3階にエリア最大級の1400席を有し、20店舗がそろうフードコート「サカイ フード キッチン」、2階には堺市初出店の「エッグスンシングス」や「京鼎樓」などが集結する「サカイ フード ストリート」が登場。フードコートには、イベントやお誕生日会などに利用できるレンタルスペースやキッズスペース、コンセント付ブース席を備えたコワーキング&カフェゾーンも併設し、地域コミュニティ拠点としての機能も備えた。
北西のエントランス前には、屋外広場「ミハラパーク」が広がり、子供用遊具のある「プレイゾーン」や、イベント時にスポーツが体験できる「アーバンスポーツゾーン」などを設ける。ほかには、音楽ゲーム「太鼓の達人」の世界観を用いて堺の街や地域の祭りを表現した日本初のアミューズメントエリア「ナムコ 太鼓の達人毎日おまつりだドン!(仮称)」や、赤ちゃん絵本「しましまぐるぐる」がテーマの遊び場「しまぐるランド」、アニマルテーマパーク「モフ アニマルカフェ」など、体験型のエンタテインメント店舗が充実している。
ららぽーと堺は、関西エリアのららぽーとの施設としては4施設目。施設が立地する堺市美原区は、堺と大阪南部、奈良県中部をつなぐ交通の結節点としての役割を担い、阪和自動車道の美原南ICからも近い。商圏エリアは堺市、大阪市、大阪東部、大阪湾岸エリア、奈良西部を想定する。ららぽーとの基本商圏は10キロ圏内だが、本格的なイベント開催を経常的に行うことで広域からの集客を狙う。
イベント空間を集客の目玉にした理由について、同社の商業施設本部リージョナル事業部の小野寺弘康氏は「スタジアムコートを核にしたのはチャレンジでもあるが、ECの時代だからリアルの価値や施設に足を運んでもらうことの唯一無二性を大事にしていきたい。そこを担保しながら、リアルとデジタルを融合したイベントも検討していく」と話している。