狂ったように猫を溺愛する美容ライターが、猫と美容を強引に結びつける力技ビューティコラムVol.31。猫にちなんで、毎月2(ニャー)日と22(ニャーニャー)日の2(ニャー)回更新しています。今回のテーマは「歯の健康」。愛猫の可愛い歯が喪失の危機に。原因の一つである歯周病は、ほとんどの日本人に見られるといわれるポピュラーな病気だが、歯や歯ぐきの問題だけでなく、全身に影響を及ぼすため油断は禁物。愛猫の歯や歯周病菌対策についてまじめに考察しつつ、共にきれいな歯で末長く暮らしていくための歯周病対策グッズをご紹介します。
チャームポイントの長い“猫歯”がグラグラに!
わが家の末っ子、茶トラの寅多ティティ。きちんと母猫のお乳をもらい野生生活も経験していない箱入り息子だからなのか、3兄弟の誰よりも身体が丈夫である。でも一つだけ気がかりなのは、「歯の健康」。
ティティは片側だけ、口を閉じていても若干はみ出てしまうほど犬歯(猫歯?)が長い。それがチャームポイントだと思って愛でていたのだが、先日健康診断に行った際、かかりつけ医がおもむろにティティの犬歯をつまみ、なかなかの力でグリグリし始めた。
「ティティの大切な歯に何を……!」と心の中で叫びながらハラハラ見守っていたら、医師が「この歯もう抜けちゃいますね」とひと言。え?
「こういう犬歯は割とすぐ抜けちゃうんですよ。もう根本がグラグラしてますし」
ええ!? この愛おしいチャームポイントがなくなってしまうなんて、そんなのひどい。しかし、これは猫あるあるなのだそうだ。
猫の歯が抜ける原因は、生え変わり、老化現象、歯周病とさまざまだが、ティティは7歳の成猫なので歯周病の線が濃厚。実際、口臭もちょっと気になる。なので食後に歯磨きガムを与えていたのだが、やはり気休めだったか。
歯周病予防には毎日の歯磨きが重要なのは分かっている。しかし、爪切りすらめちゃくちゃ嫌がるのに歯磨きなんてハードルが高すぎるし、猫に嫌われてしまう……と思ってできなかった。猫に嫌われたらこの世の終わり。何のために日々働いているのかも分からなくなる。そうやって猫のご機嫌をとってあがめ奉りながら過ごしてきたから、猫が最も嫌う歯磨きをしなければならないのはつらい。でも猫の健康のため、本気で対策を考えないと……。
歯周病は歯だけの問題にあらず。猫にとっても人にとっても怖い病気
猫は虫歯にならないといわれるが、3歳以上の猫の約8割が歯周病にかかっているという。主な症状としては、歯茎のはれ、痛み、出血、口臭などで、重症化すると抜け落ちてしまう。ティティはその危機に瀕しているのだから、やはり心配だ。
しかし歯周病が怖いのは、歯だけの問題では済まないこと。歯周病菌が血流に乗って心臓に達してしまえば心疾患、歯周病菌を含んだ唾液が気管を通って肺に入ると誤嚥性肺炎、歯周病菌が増えすぎると、アルツハイマー病の原因物質アミロイドβが作られる……などなど、あらゆる病の発症リスクが高まることが指摘されている。
これは人間の話だが、猫の場合は、鼻腔や顔の皮膚の下に膿が溜まったり、血管を通って口腔内の菌が運ばれ、腎臓や心臓、肝臓などに影響を及ぼしたりすることがあるという。やはり猫にとっても全身の健康に関わる重要な問題のようだ。猫がそこにいなければ、長生きしたって意味がない。歯の健康は、猫と一緒に真面目に向き合うべき問題なのだ。
全ては猫と健康に長生きするため! 本気の歯周病対策グッズ3選
歯周病対策として、真っ先に見直すべきは歯ブラシ。歯周ポケットなど手磨きでは届かないエリアまでしっかりお掃除できる電動ハブラシがおすすめだ。「パナソニック(PANASONIC)」の“音波振動ハブラシ ドルツ”は、歯科医師の約89.3%が推奨する“ヨコ磨き”や、“極細毛ブラシ”、“細かな動き”の3つの機能を搭載。歯周ポケットに潜む歯周病の原因プラークを効率よく掻き出すことができて実に頼もしい。プラークを掻き出せる磨き角度45°にブラシを当てられるよう、角度を検知し正しい磨き方へ導くライトリング機能付き。
歯ブラシでは届きにくく、磨き残しが発生しやすい歯間部のお掃除には、デンタルフロスと歯間ブラシの1台2役をこなすウォーターピックを。パワフルな独自のジェット水流で、歯や歯茎を傷つけることなく、歯間や歯周ポケットに詰まったプラークを最大99.9%除去。インプラントのクリーニングや歯列矯正中にもおすすめだ。
歯周病・むし歯・口臭予防をこれ1本でケアできる薬用歯磨きジェル。近年注目されているウコン由来成分のクルクミンを湿潤剤として配合。さらに、抗炎症成分グリチルリチン酸ジカリウムで歯周病・口臭を、フッ化ナトリウムでむし歯を予防。発泡剤フリーで泡立ちが少ないため、少量の水で濯ぐことができ、薬用成分が口腔内に留まりやすい。歯科医院専売品。
先ほどティティの歯磨きにトライしてみたが、暴漢に襲われたかのような怯えた目で私を見つめ、「え? 何するの? 信じられない……!」と言わんばかりに光の早さでキャットタワーの小屋に逃げていった(そして3時間出てこなかった)。猫に嫌われず歯磨きをルーティン化するのは難しい……。