ファッション

売れっ子テキスタイルデザイナーがアパレル始動 「閉塞感ある今、“考えすぎずに表現”を実践したかった」

 テキスタイルデザイナー梶原加奈子がディレクターを務める札幌のエシカルライフスタイルショップ「コキュウ(COQ)」は、アパレルブランドを2022年秋冬からスタートする。

 アパレルブランド「コキュウ カナコ カジハラ(COQ KANAKO KAJIHARA)」は、“カラーヒーリング&サーキュラーライフ”をコンセプトに、環境負荷が低い素材選びやホールガーメントニットを採用。梶原は長年、日本の産地と海外ブランドをつなぐ仕事に携わっており、その経験を生かし、日本の物づくりにこだわり、工場と開発を取り組むことで「産地技術の継承や日本の魅力のグローバルに発信することを目指す」という。

 デビューコレクションは梶原の出身地でもある北海道の森の暮らしを着想源に、色やモチーフを選びデザイン。上質なウィメンズとメンズのニットウエア、靴下、バッグをそろえ、愛犬とのリンクコーディネートも提案する。価格は3万円前後を中心に5万円台まで。

 また、残布や残糸を活用したライン「コキュウ ヒビ(COQ HIBI)」もデビュー。梶原が産地を訪れるときに出会う残布をパッチワークし、シャツとして販売する。

 梶原ディレクターは、自身のテキスタイルブランド「カナ コレクション(KANA COLLECTION)」のほか、国内ブランドのディレクションなどを手がける売れっ子テキスタイルデザイナーだ。その梶原がなぜ今アパレルなのか。

 「日本のテキスタイル業界では今 “何をやっても売れない”といった閉塞感があり、結果的に冒険が少ない表現が多くなっている。かたや世界からは、杢調ひとつとってもカラフルなもの、個性的なものが求められている。日本のこの閉塞感を何とかするには、行動を起こすしかない。だからまずは自分自身が“私はこれです”と言えるものを、あまり考えすぎずに表現することにした」と梶原。 結果、何色・何種類も糸を使ったカラフルなニットや彼女自身が好きなリラックスしたシルエットの服、清潔感のあるシャツアイテムが並んだ。

 販売は先行受注を基本とし、同ショップの店頭とオンライン、ECサイト、「オンワード・クローゼット(ONWARD CROSSET)」内の日本の産地にフォーカスした「クラハグ(CRAHUG)」などで販売する。

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