ファッション

イトーヨーカドーが宝島社の雑誌と組んで衣料品開発 課題の30〜40代取り込み目指す

 イトーヨーカ堂は9月5日、宝島社の雑誌と組んだ新プロジェクト「アンドスタンダード(&STANDARD)」の商品を発売した。全国のイトーヨーカドー97店と公式ECで扱っている。「食品売り場には若い世代の客も多いが、衣料品売り場には若い客が少ない。宝島社の発信力とイトーヨーカドーの利便性を掛け合わせることで、F2、M2層(35〜49歳の男女)に訴求する」(神戸智子イトーヨーカ堂ライフスタイル事業部シニアMD)ことが開発の狙い。

 第1弾商品は、30〜40代男性が中心読者層の「モノマックス(MonoMax)」と、30代女性向けファッション誌「スプリング(SPRiNG)」の編集部と組み、“ポケットがいっぱい”“たたんでコンパクト”という機能性を打ち出した18型のアイテムをそろえた。ウィメンズ、メンズのアウター(ウィメンズ6589円、メンズ9889円)やウィメンズのポケッタブルなワッシャープリーツスカート(4389円)、メンズのジャケット(5489円)とパンツ(4389円)のセットアップなどのほか、リュック(ウィメンズ、メンズ共に6589円)やメンズのボクサーショーツ(1419円)といった雑貨もそろえる。

 8月23日発売の「スプリング」10月号と、9月9日発売の「モノマックス」10月号、両誌のSNSなどで「アンドスタンダード」を打ち出していく。「雑誌と外部ブランドとのコラボレーションはこれまでも行ってきているが、何を作るべきかといった最初期の段階から一緒に取り組んだのは今回が初めて。雑誌編集で蓄積してきたデータや発想力を生かすことができた」と、奥家慎二「モノマックス」編集長は話す。第2弾として、10月には“ペットの毛がつきにくい”を打ち出したアイテムを発売予定という。イトーヨーカ堂は宝島社との取り組み期間は公表していないが、「短期ではない。できれば毎月最大10型程度を投入していきたい」(神戸シニアMD)という。時期やテーマによって、宝島社の別の雑誌とも適宜取り組む。

 「イトーヨーカ堂としてチラシ広告なども実施しているが、それをターゲットであるF2、M2層が見てくれているかというと厳しいものがある」と神戸シニアMD。宝島社のさまざまなコンテンツと組むことで、「ターゲット層に気づいてもらって来店していただきたい。ゆくゆくはライフスタイル売り場全体の回遊につなげたい」。

 とは言え、イトーヨーカ堂に限らず、GMS(量販店)の衣料品売り場は「ユニクロ(UNIQLO)」や「ファッションセンターしまむら」などのカテゴリーキラーにパイを奪われ続けてきたという流通業の歴史がある。「衣料品に限らず、日用品を幅広く扱えることがわれわれGMSの強み。具体的に決まっているものはないが、『アンドスタンダード』でも衣料品だけでなく、寝具やキッチンツールなどさまざまなアイテムに取り組むことが可能だ」と神戸シニアMD。

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