ファッション

「ナイキ」がCO2排出量を抑えた新たなアパレル 「この30年で一番の革命」

 「ナイキ(NIKE)」はこのほど、サステナブルな最新技術として打ち出す、ニードルパンチ技術を用いたアパレルシリーズ「ナイキ フォワード(NIKE FORWARD)」を発表した。第1弾として、再生ポリエステル100%のクルーネック(1万5400円税込、以下同)とフーディー(1万8150円)のフリース2型を、公式ECサイトとアプリ、一部の直営店で9月17日に発売する。

 同社が5年以上かけて開発したニードルパンチ技術は、紡績や裁断、縫製などの工程を省き、繊維から直接テキスタイルを作ることができる。織物や布帛よりも短い工程で生産が可能なため、従来のニットフリースと比較して生産過程における二酸化炭素排出量75%削減できるという。同技術をコットンなどほかの素材にも応用でき、工場や家庭の廃棄物を用いることも可能で、開発担当者は「アパレル分野では、ここ30年で一番の革命だ」という。同社は現在特許を申請中だ。

 第1弾の素材は、繊維の密度が異なる5層のレイヤーで構成する。今回発売するフリース2型は、保温性に優れた仕様になっているが、レイヤーを組み替えることでライフスタイルからスポーツまで、さまざまなシーンに応用の効く商品開発が期待できるという。水資源の使用を削減するため染色工程を省き、カラーはグレーのみ。また商品の回収・リサイクルを前提とし、解体がしやすいようジッパーなどの資材は使用せず、ポケットは切りっぱなしのデザインになっている。アパレル商品の回収に関しては欧米が先行しているが、日本での実施も検討中だという。

 同社は、「ナイキ」のサステナビリティのビジョンをかなえる革新的技術として大量生産を視野に入れ今後も改良を重ねていくという。

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