「カルティエ(CARTIER)」による東京・豊洲のキッザニア東京(KIDZANIA TOKYO以下、キッザニア)の期間限定パビリオン「ジュエリーアトリエ」がスタートした。キッザニアは、3〜15歳までの子どもたちの職業・社会体験施設。全日本空輸や伊藤忠商事、牛乳石鹸など約60企業のパビリオンがある。同パビリオンの会期は9月26日までだ。
6日初日に「ジュエリーアトリエ」に潜入。「カルティエ」のブティックで使用しているインテリアを取り入れたラグジュアリーな空間の壁面にはアイコンのパンテールが描かれている。約30分のプログラムで子どもたちは、パンテールの刺しゅうを施した白衣を着用してジュエリーデザインに挑戦する。講師によるジュエリーや宝石、サヴォワフェールの意味をはじめ、「カルティエ」のメゾンの歴史やアイコンジュエリー“トゥッティフルッティ”“トリニティ”“パンテール”について説明からスタート。そして、「カルティエ」の書籍やトレーが置かれたテーブルに、“トゥッティフルッティ”のデザインシートと宝石のカットの一覧表、色鉛筆、シールが配られた。また、17種類ある立体的なジュエリー風シールを3種類選びデザインに反映することができる。
“トゥッティフルッティ”を自由な感性でデザイン
私が潜入したセッションに参加したのは、9歳のジェニちゃんと、11歳の愛鈴ちゃん、12歳のタケル君。それぞれ、自由な発想で、デザイン画に色をぬり、シールを施してデザインを完成させた。ジェニちゃんの作品名は“キラキラなうみ”。彼女は、「キラキラ光る海をイメージした。楽しい時間でジュエリーに興味を持った」と話す。「カルティエ」を知っていたという愛鈴ちゃんの作品名は、“バタフライ&レッド”。「バタフライは『鬼滅の刃』の胡蝶しのぶがイメージ。それに情熱的なレッド(ルビーの色)を加えてみた。将来はジュエラーの仕事に携わりたい」と語った。タケル君の作品名は、“ドーズ”。バンドであるドーズのミュージックビデオのイラストにインスパイアされて紫色を選んだそうだ。「白衣で本格的にデザインできたと実感した。きれいにできたので飾ろうと思う」と話した。
ラグジュアリーには子どもも大人も関係ない
私が驚いたのは、このパビリオンのデザイン画に「カルティエ」ハイジュエリーの代表格の一つ“トゥッティフルッティ”が採用されたこと。“トゥッティフルッティ”を知っているのは大人であっても限られるからだ。「カルティエ」によると、“トゥッティフルッティ”採用の理由は、メゾンの世界観を表現しているのと同時に、カラフルな宝石が使用されており印象に残るから。なるほど、確かにメゾンの世界観を伝えるのは理屈ではなく、感覚に訴えるインパクトだ。この取り組みは日本独自のもので、子どもならではの感性を生かして作る楽しさを感じてもらいたいというコンセプトでスタート。また、この体験が、親子がつながるきっかけになればという思いも込められている。
子どもが対象とはいえ、「カルティエ」のラグジュアリーな世界観はそのまま。会場構成から白衣、デザイン材料の準備まで一貫している。子どもがどれだけ理解するかは別として、ジュエリー、宝石、職人技、メゾンについて本格的に伝える姿勢もすばらしい。私自身、「大人は参加できないんですよね?あのデザイン画が欲しいので塗り絵作ってください」とリクエストしてしまうほど、魅力的な体験だ。ラグジュアリーには子どもも大人も関係ないと実感。トップジュエラー「カルティエ」の懐の深さを感じた潜入体験だった。
「カルティエ」では、11月13日、パビリオンで体験した子どもの中から選ばれた10人(小学校4年生以上)を銀座ブティックの仕事体験に招待。子どもたちは、実際にジュエリーに触れてメゾンの世界観を肌で感じると同時に、接客やホスピタリティーを学ぶことができる。