謎多き「シーイン」だが、中国では一部のビジネスメディアなどを通し、より多くの情報が出ている。「越境EC」「超巨大D2C」というビジネスモデルも、中国特有のECビジネスの観点からだと、とても理解しやすい。中国に詳しいジャーナリストの高口康太氏に寄稿してもらった。(本記事は9月5日号「WWDJAPAN」からの転載です)
【前編はこちら】
中国発のアパレル越境EC企業シーインが世界の注目を集めている。秘密主義を貫く非上場企業ということもあり売上高などについて公式発表はないが、中国経済メディア「晩点Latepost」の報道によると、2021年の売上高は前年からほぼ倍増の200億ドル(約2兆7600億円)前後に達しているという。にわかには信じがたいが、ユニクロを擁するファーストリテイリングを上回る計算だ。
また、今年4月のベンチャーキャピタルからの資金調達では1000億ドル(約13兆円)の評価額を得たと報じられている。こちらでもファーストリテイリングを上回る。米調査会社CBインサイツの世界ユニコーン企業ランキング(ユニコーン企業とは評価額10億ドル以上の未上場企業)によると、動画アプリ「ティックトック」を擁するバイトダンス、かのイーロン・マスクが創業した宇宙産業ベンチャー「スペースX」に次ぐ世界第3位につけている。
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