ファッションECサイト制作などを担うダイアモンドヘッド内のBlue Marbleが手がける合同展示会「ニュー エナジー」が、9月8日に新宿住友ビル三角広場でスタートした。2月にキックオフ展は実施していたが今回が本格立ち上げという位置づけで、会期は11日まで。「出展者数は想定の200組に対し230組が集まった」(広報担当者)と手応えを得ている。
2月のキックオフ展の来場者数は約6500人で、実際の来場者の5分の1〜4分の1が事前登録してから来場したという。「事前登録者数だけで比べても、今回はキックオフ展の約2.6倍の登録がある」。会場は大きくファッション、ビューティ、インテリア/プロダクト、サステナビリティの4カテゴリーに分かれており、「キックオフ展に比べ、ファッションの出展者が大幅に増えた」点は注目ポイントの一つだ。
ただし、デジタル展示会の普及や、卸先を必要としないD2Cブランドの拡大によって、合同展示会というビジネスモデルが岐路にあること自体は変わりない。「合同展示会の目的や意義を“拡張”していかないとやる意味はない」と広報担当者。そこで強化しているのが、現場に来るからこそ体感できるアートのパフォーマンスや、クリエイティビティーを刺激するブースの見せ方。メーンビジュアルに起用したアーティストの新宅加奈子が1日2回ライブパフォーマンスを行っているほか、NFTアートのリアルイベント「NFT アート トーキョー」と組んだ展示なども行実施している。
「つながりが生まれるのは合同展ならでは」
クリエイティブな見せ方としては、「展示会として単にブースを売るというのではなく、それぞれの出展者に合った面白い見せ方を追求した」。例えば、「無印良品」のインテリア部門のデザイナーだった村松恵さんが手がける、生地の端材を再利用したラグのブランド「アニマ フォルマ(ANIMA FORMA)」は、動物の毛皮ラグ風のデザインを生かしてインスタレーション風に展示。「SNSで写真を拡散して自社ECで商品を売ればいいという考え方も今はあるが、やはり実物を見たいという声は多い。大規模な合同展に出展すると(バイヤーなどと)つながりが広がることが魅力」と村松さん。
10日の土曜には、ダイアモンドヘッドが協賛するJ-WAVEのラジオ番組「エシカル ウェーブ」も会場内で公開収録する。ほか、トークイベントなども会場内で実施。自身で立ち上げた生分解性のヘアケアブランド「クルヒ(KRUHI)」で出展している俳優の井浦新さんも登壇予定という。「美容業界に全く縁のないまま手探りでブランドを立ち上げたが、(サステナビリティに対し)意思や想いのある来場者が多く、しっかり話ができている」と井浦さん。「クルヒ」は9月16日に販売を開始する。
「ニュー エナジー」はアッシュ・ペー・フランスで合同展「ルームス」を手掛けていたチームが主宰。「ルームス」は今春の実施は見送ったが、今秋は10月13〜16日に渋谷ヒカリエで実施すると発表している。