スマートフォンがぎりぎり収まるサイズのマイクロバッグがファンを増やしています。本来、バッグは荷物を持ち運ぶ道具ですが、キャッシュレス時代を迎え、役割も変化。コンパクトさを生かしてアクセサリー感覚で使えるのは、マイクロバッグならではの強み。今回は、有名ブランドの2022-23年秋冬コレクションを手がかりに、上手な使いこなし方をリポートします。
例えば「コーチ(COACH)」は、オーバーサイズのアウターにマイクロバッグを引き合わせました。ボリュームのコントラストが際立ち、自然なメリハリがかなう使い方です。クラシックなシルエットのバッグが、ブラトップの装いに程よくレディーなムードを添えています。さらに、アウターの袖先にちょこんと位置することで、タフなルックにチャーミングなムードも加えました。このように、服とのずれを印象付ける使い方は、コーディネートを味わい深く見せてくれます。
クラシックなジャケットには
同系色で旬なムードをプラス
秋に出番の多いジャケットはかしこまった印象になりがちですが、マイクロバッグを生かすと軽快感が加わります。
「ロンシャン(LONGCHAMP)」のマイクロバッグは、カードしか収まらないぐらいのサイズ感がキュート。マニッシュなチェック柄のジャケットと同系色のブラウンのバッグを合わせて、装いに融け込ませました。ショートパンツのフレッシュなムードともなじんでいます。
2枚目の写真の「アクリス(AKRIS)」は、スマホショルダーをジャケットルックに取り入れました。秋冬らしい落ち着いたグリーンのチェック柄のセットアップに、斜め掛けのスマホショルダーがチャーミングさと立体感を添えました。クラシックな装いに、新顔アイテムのスマホショルダーで旬なムードを加えたコーディネートです。
ショルダー“2個掛け”は
マイクロだからこそかなう立体感
サイズが小さい分、2個掛けしても邪魔になりにくいのが、マイクロバッグならではのよさ。装いにリズムが加わり、ポケットのない服を補ううえでも便利な使い方です。
黒とイエローのマイクロバッグ2個掛けを披露したのは「ビクトリア トマス(VICTORIA/TOMAS)」。細いストラップと太いストラップを合わせた“ずらし”のコンビネーションです。ドレッシーなフリンジワンピースとも程よく融け合い、表情の異なるバッグの2個掛けがプレイフルな雰囲気を生み出しています。
スマホや小物を分けて収納できるのも、2個掛けのメリットです。2枚目の写真「3.1 フィリップ リム(3.1 PHILLIP LIM)」は、ショルダーバッグの色違いを重ね掛けしていて、まるでポケットのような見え具合。パステルカラーが装いに彩りを添え、パフスリーブとブーツのボリューム感にもマッチしています。
“アクセサリー”感覚でまとえる
パーティーバッグとしても◎
マイクロバッグはサイズが小ぶりなので、アクセサリーとしても使い勝手に優れています。従来のパーティーシーンではクラッチバッグが重宝されてきましたが、新顔のマイクロバッグは意外性を印象付けやすいうえ、ハンズフリーになれる点でもパーティー向きです。
「セルフ-ポートレート(SELF-PORTRAIT)」は、マイクロバッグをひじに引っ掛けるというサプライズな持ち方を提案。ミニサイズのおかげで、“2個付け”も可能に。ひじ周りを飾るバングルのようにも見え、トランスペアレントなパーティードレスから視線をそらす効果も期待できそうです。
2枚目の写真「アンブッシュ(AMBUSH)」は、シルバーのメタリックなマイクロバッグでウォーキング。ロックな雰囲気の装いに合わせて華やかに演出し、クールなパンツルックにアクセントを添えています。
今回ご紹介した人気ブランドのルックからも分かるように、マイクロバッグは“しまう、運ぶ”という本来の役割以上のおしゃれ効果を発揮してくれるアイテムです。重たく映りがちな秋冬の装いを軽やかに見せたり、動きを加えたりと、多彩に使いこなせます。サブバッグとのダブル持ちも可能なので、時にはアクセサリー兼用のマイクロバッグでお出かけするのも悪くないでしょう。