韓国化粧品最大手のアモーレパシフィック(AMOREPACIFIC)はこのほど、アメリカのラグジュアリー・ナチュラル・スキンケアブランド「タタハーパー(TATA HERPER)」を買収した。取引額などの詳細は公開されていない。この買収によりアモーレパシフィックはクリーンビューティ分野に本格参入する。北米市場におけるビジネス拡大に向けた足場固めともみられている。なお、創業者のタタ・ハーパーは今後も同ブランドを率いる。
「タタハーパー」はコロンビア出身の創業者により2010年に創設。家族が癌を患ったことをきっかけに、合成化学物質不使用の自然な原料で作られたスキンケア化粧品を求めて開発した。初期はeコマースでビジネスを拡大し、現在は小売チェーンのセフォラ(SEPHORA)やブルーマーキュリー(BLUE MERCURY)、老舗百貨店のニーマン・マーカス(NEIMAN MARCUS)、ECのネッタポルテ(NET-A PORTER)やカルトビューティ(CULTBEAUTY)などで展開する。2015年にアライアンス・コンシューマー・グロース(Aliance Consumer Growth)の少額出資を受け、17年の売り上げは6000万〜6500万ドル(約84億〜91億円)を記録した。
一方、アモーレパシフィックの21年の売上高は46億1000万(約6454億円)ドル。コロナ前の水準への回復途中にあり、低迷する韓国国内の小売りチャネルからオンラインビジネスに軸足を移し注力する。海外売り上げの大部分を占める中国ではデジタル施策が奏功し、中核ブランドの「ソルファス(SULWHASOO、雪花秀)」と「ラネージュ(LANEIGE)」が2ケタ伸長。北米では、アマゾンで「ラネージュ」と「イニスフリー(INNISFREE)」の販売を開始し、同エリアの第2四半期の売上高は前年同期比66%増を記録した。