毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2022年9月12日号からの抜粋です)
美濃島:今回の東コレは新しい世代の台頭を感じました。8月26日号でも特集した「M A S U」や「フェティコ(FETICO)」をはじめ、「ワタル トミナガ(WATARU TOMINAGA)」や「クードス(KUDOS)」など、東コレを舞台にすごいインパクトを残したブランドが複数ありましたね。
大杉:新世代が新しい風を吹き込み、今の東京が反映されていました。「フェティコ」や「M A S U」のフロントローには、普段は東コレに出席していないエディターやスタイリストがずらっと並んでいて注目度の高さを感じました。その一方で、「アンリアレイジ(ANREALAGE)」と「ヨシオクボ(YOSHIO KUBO)」が楽天のサポートでショーを行い、毎日ファッション大賞新人賞受賞の「フミエ タナカ(FUMIE TANAKA)」、6年ぶりに東コレにカムバックした「エズミ(EZUMI)」、元「クリスチャンダダ(CHIRISTIAN DADA)」の森川マサノリによる「ベイシックス(BASICKS)」など、ベテラン勢も新しい挑戦を見せてくれました。
美濃島:ブランドをバックアップする体制が整ってきましたよね。楽天の海外で活躍する日本人デザイナーズブランド招致のほかに、文化庁がJFWO(日本ファッション・ウィーク機構)と連携して、若手のショーをサポートするようになってきました。SDGs関連で東レやDHLによる支援もありました。
大杉:支援すべきブランドに、サポートがついていた印象でした。コロナ下で2年以上たって、「屈せず頑張ろう」から「突き抜けるぞ!」へという機運の変化も感じました。楽天がウクライナ出身の「レバークチュール(LEVER COUTURE)」を招待し、タイ発の「アブランクページ(ABLANKPAGE)」など、面白い海外の才能の発表もあって、久しぶりにグローバルなファッションウイークとしての役割も戻ってきました。ファッショニスタのニック・ウースター(Nick Wooster)も久しぶりに東コレに帰ってきましたね。
美濃島:このワクワク感を海外にも発信していきたいです!気になったのは、リアルショーが盛り上がった分、デジタルの印象が小さかったこと。表現としてリアルとデジタルの融合はあっても、発表形式としては圧倒的にリアルの方が上でした。オンライン参加の意義を考えましたし、前回までのように、オンライン参加のブランドにも、デザイナーに直接話を聞けたり、商品を見られる機会があるといいと思いました。