ワークマンは14日、プライベートブランド(PB)の主力製品の96%の価格を2023年8月まで据え置くと発表した。素材の共通化、閑散期の生産、1製品あたりの生産量の増加などによって製造コストを抑える。14日に都内の発表会で登壇した土屋哲雄専務は「低価格の維持はワークマンの存在理由にかかわる。ぎりぎりのところまで努力して踏みとどまる」と話す。
PB製品の売上高の8割を占める売れ行き上位300製品を対象に発表した。300製品のうち260製品は価格据え置き、30製品は廃番、10製品のみ値上げする。
同社は22-23年秋冬のPB製品について今年春に価格据え置きを発表している。円安、原料高、輸送費高騰の影響は大きく、今期(23年3月期)は久々の減益を見込む。
来期(24年3月期)は徹底した合理化を推進する。第一に素材の共通化で、素材のロットを2倍にすることで製造コストを2割下げた例もあるという。衣料品のアウターで使う素材は、新カテゴリーのテントや寝袋などのキャンプ用品でも用いることでスケールメリットを出す。第二に閑散期の生産で、海外工場に生産が集中する繁忙期を避ける。来年の春夏製品についても、すでに発注しており、早い時期につくることでコスト削減につなげる。第三としては1製品あたりの生産量の増加で、類似した商品をなくして、何十万点単位に売れる製品などに集約していく。
一連のコスト高を受けてアパレル各社は値上げを余儀なくされている。最大手のユニクロが今秋から約20%の製品の値上げに踏み切り、定番品であるフリースジャケットは1.5倍の2990円に変更した。ワークマンは価格据え置きを消費者に強くアピールすることで、競争力を高めたい考えだ。
ただ、一方で「円安・原料高・海上運賃の高騰が同時にかつ極端に進行する場合には、来年8月前でも値上げに踏み切らざるを得ないことも想定される」としている。