マクアケは9月16日、これまで「マクアケ(Makuake)」で実施してきたプロジェクトの中で目標金額を達成した商品1万2000以上を集めたECプラットフォーム「マクアケ ストア(MAKUAKE STORE)」をオープンした。これまでも「マクアケ」では、プロジェクトの成功を受けて商品化したリターン(応援購入したユーザーが手にする商品)は購入可能だったが、このサービスを拡充・独立させる。「マクアケ ストア」で同社は25年までに、これまでのストアでの売り上げの5倍に当たるビジネスを目指す(現在のストアでの売上高は非公開)。ブランドは、「マクアケ」でのプロジェクトに成功して、リターンの配送が全て終了すると、「マクアケ ストア」でそのリターンが販売できるようになる。掲載費用は無料。「マクアケ」でのプロジェクト同様、売り上げの20%を手数料としてマクアケに支払う。
「マクアケ」でプロジェクトを実施して成功すると、多くの実行者(メーカーやブランド)は、「実績を営業ツールとして活用できる」「商品や会社のことを深く知ってもらえる」などのメリットを感じることが多いという。一方、プロジェクトは通常2~3カ月で終了。せっかく上昇した知名度をタイムリーに販売に繋げることは、必ずしも容易ではなかったケースもあるようだ。このため、生活者(応援購入した消費者)からは常に、「今は買えないのか?」「どこで買えるのか?」などの問い合わせが多い。「マクアケ ストア」は、この実行者と生活者の不便を解消するための新プラットフォームという位置付けだ。
「マクアケ ストア」の記者発表会で、坊垣佳奈共同創業者/取締役は、「(プロジェクトの実行者が海外からの応援購入を受け付けることができる)『マクアケ グローバル』や、(実行者とバイヤーをつなぐ)『マクアケ 応援仕入れ』、伊勢丹などで商品を展示する『マクアケ ショップ』など、『マクアケ』で生まれた商品を広げていく仕組みはあるが、まだまだこれから。機能・価格重視の一般的なECモールに対して、『マクアケ』でのプロジェクトを含め、こだわりやストーリーを重視した新しいECプラットフォームに育てたい」と説明した。
コロナ禍になって、「マクアケ」でのプロジェクトは急速に増えている。結果、成功して商品化されたリターンも増え、ECプラットフォームを開設できる規模感になった。同社は「マクアケ ストア」のオープンで、さらに「マクアケ」でのプロジェクトも増やしたい考えだ。坊垣取締役は、「『マクアケ ストア』に商品が掲載できる条件は、『マクアケ』でプロジェクトを実施していること。『マクアケ ストア』が魅力的になることで、プロジェクトに取り組んでもらえたら」と期待を寄せた。