ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。今週はさらなる拡大が見込める男性理美容室市場の話。
【賢者が選んだ注目ニュース】
「オーシャントリコ」からメンズコスメラインが登場
ヘアサロン「リップス」を手掛けるレスプリが資本提携
今回注目した記事はどちらも男性から支持を集めているサロンを取り上げたもの。「オーシャントリコ」の記事内にある「メイクをしていると気づかれたら恥ずかしい」「何から始めたらいいか分からない」という意見は男性のサロン選びにも通じるインサイトであり、ヘアサロン「リップス」を運営するレスプリの野村キャピタル・パートナーズとの資本提携は、ヘアサロンが社会全体からも注目を集め、投資価値のあるマーケットだと印象付けたものだった。今まさに、男性理美容室市場が盛り上がりを見せているのだ。
上顧客化しやすい男性を取り込め
サロンの男性顧客は女性顧客に比べて、実は上顧客になりやすい。例えば、過去1年以内の店販購入率を見ると、ヘアサロンでは女性の14.7%に対して男性は17.4%と購入率が高いことが挙げられる(ホットペッパービューティアカデミー「美容センサス2022年上期〈美容室・理容室編〉〈エステサロン編〉」22年6月)。
サロンのみならず男性の特徴として、行きつけを持ちたがる傾向があり、幼少期からの趣味を大人になってからも続けていることが多い。また、車や衣服、家具など、自身がこだわるものへの投資が大きいことも挙げられる。一般的な男女の消費行動の違いと同様に、男性はサロンに関しても好みが一致し信頼を寄せると投資する傾向があるのだ。
定着率が高く、美容への投資も積極的な男性は、サロンにとって上顧客になりうる可能性が高いわけだが、男性集客のポイントはどこにあるのだろうか。前述の調査で、「初回来店時にサロン選びで重要視したポイント」を聞いたところ、1位が「友人・知人の口コミ」、2位が「ネットの口コミ」、3位が「デザイン・スタイル(の写真)がよい」、4位が「(ネットなどでの)スタッフ情報が充実」と、場の雰囲気をリサーチできる情報が上位にランクインしている。来店前に自分がそのサロンにいても違和感がないか、どんな扱いを受けるのかといったことを想像して入念にチェックしているのだ。
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