「無印良品」を展開する良品計画は9月27日、スキンケア化粧品の詰め替え商品を発売すると発表した。敏感肌用シリーズとエイジングケアシリーズ、クリアケアシリーズなど15品について、28日からパウチタイプの詰め替え用を販売する。価格は税込490〜1540円。プラスチック削減を目的としたもので、既存品の容器についてもアルミキャップや中栓を廃止し、分別しやすく詰め替えやすいボトルに順次切り替える。“クリームクレンジング”“オールインワンジェル”などのチューブ容器も、厚いものから薄いプラスチックに変更する。
「無印良品」のスキンケアシリーズは1997年に販売を開始し、シリーズ累計で年間に約2500万個を販売する。国内の化粧水の市場規模である約2000億円に対し、同ブランドは約6%のシェア(数量ベース)と推定されるという。スキンケア商品はリピーターが多くを占め、近年は大容量ボトルの売り上げが増加。詰め替え用を求める顧客の声もあることから詰め替え商品を開発した。
既存の化粧水ボトルに対しパウチタイプはプラスチック使用量が約4分の1に抑えられ、購入者の約40%が詰め替え用を選択した場合、年間約91トンのプラスチックを削減。新しいチューブはプラスチック使用量が通常の約2分の1で、年間約26トンのプラスチックを削減できるという。詰め替え用容器への切り替えは、化粧水・乳液が年内に、クリーム・美容液類は翌年中に完全移行する予定。チューブ製品の省プラ化は2024年度内の切り替えを目指す。
嶋崎朝子=良品計画取締役は、「詰め替え用商品は陳列時の見栄えの問題や単価が15%程度下がるなどデメリットもあるが、毎日使う消耗品への支出を抑えたい消費者のニーズは高く、信頼感を得る一つのきっかけになる。化粧品の詰め替え商品は、衛生面の管理の問題や消費者の心理的なハードルによりなかなか進んでいない。『無印良品』の化粧品で世の中に浸透させる使命感を持って取り組んでいる。今後は詰め替え用商品がスキンケアの中心になると考えており設備投資を含め注力している」とコメント。
プラスチック削減の取り組みとして、スキンケアシリーズでのリサイクルPETなど再生素材の使用と、スキンケアシリーズで回収したプラスチック製品の再利用を目指す。また、現在広島アルパーク店のみで展開するヘアケア製品の量り売りを、23年中に50店舗に導入する予定。