「無印良品」を運営する良品計画は30日、500円以下の日用品に特化した新業態「無印良品500(ごひゃく)」の1号店を東京・三鷹に開いた。洗剤類、キッチン用品、洗面用品、スキンケア用品、シャンプーやコンディショナー、下着、靴下、文房具、レトルト食品、菓子などをそろえる。小型業態「ムジコム(MUJI com)」の業態転換を含めて、23年2月末までに30店舗を出店し、その後は年20店舗のペースで都心部への出店を重ねる。「『無印良品』によるコンビニに近い業態として、(反響次第で長期的には)いずれ2000店舗の規模に持っていきたい」(永原拓生・執行役員営業本部長)と高い成長性を見込む。
JR三鷹駅の駅ビル「アトレヴィ三鷹」の4階に1号店として、30日に181平方メートルの小型店をオープンした。通勤・通学などで駅を利用する人や近隣の住民に向けて、3000アイテムを販売する。そのうち約7割が500円以下の商品で構成する。
良品計画は買い替え頻度の高い低価格の日用品、消耗品、食品を重点的に強化する方針を掲げており、「無印良品500」はその戦略店舗となる。EC(ネット通販)で注文した商品の受け取ることができるクリック&コレクトのサービスも導入する。永原執行役員は「通常の『無印良品』に比べて買い上げ頻度を上げていきたい。月1度しから来店しないお客さまが週1度訪れる店舗にしたい」と説明する。出店立地は駅ナカや商店街など、消費者の生活圏に近いところに定める。「乗降客数が1日3万人以上の駅は850ある。こういった場所にどんどん出店して、お客ささまとの接点を広げる」。
「無印良品」は消費者の生活圏への出店拡大を中期経営計画で打ち出す。地方・郊外の食品スーパーの隣に1980〜2640平方メートルの標準店舗を相次いで出店するほか、コンビニ大手のローソンでは日用品や食品のコーナーを関東甲信越の4000店舗に広げた。「無印良品500」の出店はこれに続く動きだ。従来は大都市の商業施設に偏っていた消費者との接点を増やす。