2022年3月に就任したフィリッポ・グラツィオーリ(Filippo Grazioli)=クリエイティブ・ディレクターの手掛ける新生「ミッソーニ(MISSONI)」は、23 年春夏ミラノ・ファッション・ウイークでランウエイデビューを果たした。フィリッポはクリエイティブ・ディレクターの経験はないものの、「メゾン マルタン マルジェラ(Maison Martin Margiela、現メゾン マルジェラ)や「エルメス(HERMES)」でキャリアを積み、リカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)の手掛ける「ジバンシィ(GIVENCHY)」と「バーバリー(BURBERRY)」では右腕を務めていた人物。すでに6月には23年プレ・スプリング・コレクションをルックブックで披露し、すっきりとしたシルエットで新たなビジョンを垣間見せていたが、今回のデビューには大きな期待が寄せられた。
初のショーで、フィリッポがフォーカスしたのは、ボディコンシャスなシルエット。縦のラインが際立つひざ丈〜ロング丈もしくはマイクロミニ丈のノースリーブドレスやスカートを軸に、かなり若々しくセクシーなイメージへの転換を図った。フルレングスのパンツを合わせているルックもあるが、中心となるのは、腰や腿まで入った大胆なスリットや大きく開いた背中と透け感のある素材使いで、肌見せを大いに楽しむスタイル。インナーにはニットのボディースーツや水着のショーツのようなアイテムを合わせ、コンパクトなシルエットのカーディガンはボタンを全て閉めてトップスのように着こなす。一部のドレスは、ノット(結び目)のデザインがアクセントになる。
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