主要百貨店5社の2022年9月度業績は、おしなべて1〜3割の増収だった。昨年は新型コロナウイルス感染者急増による緊急事態宣言が発令されていたため、その反動増となった。消費増税前の駆け込み需要があった19年との比較では1〜3割程度の減収。新型コロナウイルスの新規感染者は減少傾向に転じたものの、度重なる台風による悪天候で客足が伸び悩んだ。
各社の前年9月と比較した売上高の増減は、三越伊勢丹が30.2%増(19年同月比12%減)、高島屋が20.3%増(同25.3%減)、そごう・西武が14.5%増(同23.6%減)、大丸松坂屋百貨店が22.4%増(同30.0%減)、阪急阪神百貨店が36.1%増(同18%減)。
月を通じて残暑が続いたが、秋冬衣料品の消費は活発だった。三越伊勢丹の伊勢丹新宿本店と三越日本橋本店は、ラグジュアリーブランド、宝飾など高額品に加え、「婦人服ではコートなどの重衣料が好調」(同社)。19年の水準には届かなかったが、18年実績は大きく上回った。阪急阪神百貨店の阪急うめだ本店でも、モード・ラグジュアリーファッションを中心に、ジャケットやコートがけん引。「ショートブーツ、ネックレス、バッグなど秋のコーディネートアイテムがよく動いた」(同社)という。