ファッション

小田急百貨店、引っ越して再スタート 売り場面積は8割減

 小田急百貨店新宿店は4日、新宿西口ハルク(以下、ハルク)に移転オープンした。新宿駅西口の再開発に伴い、2日に営業終了した本館から一部の売り場を動かした。本館で3万平方メートルだった売り場面積は6000平方メートルに縮小。化粧品、食品、ラグジュアリーブランドなどに特化した品ぞろえで再スタートを切る。

 ハルクへの移転に伴い、本館で大きな面積を占めていた婦人服や紳士服などアパレルの取り扱いをやめた。同社取締役の林幸一店長は「苦渋の決断だった。限られた面積でアパレルの満足できる展開はできなかった」と説明する。コンパクトな売り場のため、女性にターゲットを定めて、カテゴリーも絞り込んだ。

 1階に「シャネル」「サンローラン」「カルティエ」「オメガ」「フランクミュラー」「ミキモト」などのラグジュアリーブランドや時計・宝飾を入れた。1階入口前の一等地には「グッチ」が11月下旬に開店する。地下1階は化粧品と和洋菓子、地下2階は生鮮食品や惣菜の売り場にした。中2階にはゴルフウエアが入り、2階は婦人のバッグ、靴、服飾雑貨などで構成する。テナントとして元々2〜6階で営業しているビックカメラを挟んで、7階に宝飾、メガネ、ギフトサロン、学生服などを入れた。

 本館の建物は3日から解体工事が始まり、親会社である小田急電鉄や東京メトロによって商業施設やオフィスが一体となった高層ビルが2029年度に竣工する。林店長は「建て替え後(の新しいビルに小田急百貨店が入るか)は白紙」としているが、一方で「(本館の終了発表後)お客さまから建て替え後に期待する声が多い」とも話す。別の同社幹部は「もちろん(建て替えられる)7年後を見据えて営業している」と明かす。売り場面積は大幅に縮小するものの、売上高の2割を占める外商の機能を残したり、デジタルによる顧客との接点を強化したり、先を見据えた施策を打つ。

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