ビューティ
連載 ファッション業界人も知るべき今週のビューティ展望 第88回

韓国化粧品業界はなぜ今日本進出なのか?

有料会員限定記事

 ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN.com」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。今週は、韓国化粧品企業が改めて日本進出に注力する話。(この記事はWWDジャパン2022年10月3日号からの抜粋です)

【賢者が選んだ注目ニュース】
「ラネージュ」が日本本格上陸 韓国化粧品メーカー最大手アモーレパシフィック基幹ブランド
韓国化粧品最大手 アモーレパシフィックが高級自然派スキンケア「タタハーパー」買収 北米市場に本腰

 韓国の化粧品企業、ブランドの海外市場開拓の方針は非常に面白い。2017〜18年にかけて、韓国によるミサイル配備に反発した不売運動などで中国の売り上げが低下すると、ブランドや小売企業は北米に進出。さまざまな韓国コスメ専門のリアル店舗も立ち上がり、米国でのKビューティブームの下地をつくった。

 一方、大手から中小規模のブランドは北米以外にもそれぞれの方針で海外市場を開拓し、21年時点で153の国と地域に韓国コスメが進出している。18年ごろに米国でKビューティ熱が高まったころにはすでに、欧米はもちろん、南米、中東、東南アジア、ロシア、アフリカなど世界中で韓国コスメを目にするようになっており、世界的なトレンドを支えたといってもいい。K-POPや映画・ドラマなどをはじめとした韓国のエンターテインメントの影響ももちろん大きかった。

 もともと自国市場があまり大きくないことから、大手から中小、新興の化粧品ブランドだけでなく、OEM企業、小売りまでこぞって海外開拓が盛んな国だ。韓国内ではOEM企業ネットワークが発達しており、誰もがアイデアさえあれば化粧品をつくりやすい環境も整っている。さらに、KOTRA(大韓貿易投資振興公社)をはじめとした政府関連機関の支援も手厚く、韓国化粧品業界全体で情報を共有しながら、どうしたら韓国コスメが世界で強いポジションをとれるのかを常に考え、スピーディーに動いている印象を受ける。

この続きを読むには…
残り1186⽂字, 画像1枚
この記事は、有料会員限定記事です。
紙版を定期購読中の方も閲覧することができます。
定期購読についてはこちらからご確認ください。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2025年春夏ウィメンズリアルトレンド特集 もっと軽やかに、華やかに【WWDJAPAN BEAUTY付録:2024年下半期ベストコスメ発表】

百貨店、ファッションビルブランド、セレクトショップの2025年春夏の打ち出しが出そろった。ここ数年はベーシック回帰の流れが強かった国内リアルクローズ市場は、海外ランウエイを席巻した「ボーホー×ロマンチック」なムードに呼応し、今季は一気に華やかさを取り戻しそうな気配です。ただ、例年ますます厳しさを増す夏の暑さの中で、商品企画やMDの見直しも急務となっています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。