専門店チェーン、セレクトショップの2022年9月度(既存店ベース)は、月後半からの気温低下により、各社で秋物商品が動き出した。月半ばには台風14号による影響もあったが、前年9月が気温上昇で失速していたというケースも多く、その分今年は2ケタ増になっているという企業も多い。
国内ユニクロは前年同月比11.0%増(前年の一昨年同月比=以下、同=は19.1%減)だった。月初からテレビCMで打ち出したワイドパンツやバギージーンズが男女とも売れ筋となり、月後半は“感動ジャケット”、“ウルトラライトダウン”のロングベスト、MA-1ブルゾンが売れた。「羽織り物など高単価商品が売れたことで、客数減ながら客単価が前年同月比14.4%増となった」と広報担当者。
アダストリアは前年同月比11.4%増(同7.9%減)。「(去年苦戦していたことで)ハードルが下がっていた部分はもちろんあるが、月前半の高気温や台風による客数減の中で健闘した」と広報担当者。売れ筋はパンツやニットなど。
ユナイテッドアローズは同15.4%増(同2.6%増)と、先月に続き2ケタ増。ただし、台風14号の影響で「中四国九州地区の店舗の多くが1日以上休業しており、既存店の換算からは除外」(発表資料より)している。売れ筋はシャツ、ジャケット、パンツなど。
しまむらの「ファッションセンターしまむら」は前年同月比2.9%減(同7.0%増)と落としたが、集計期間が8月21日〜9月20日のため、月後半に気温が低下してからの数字が入っていない。「9月21日以降は秋冬物が動いている。9月単月では物足りない結果となったが、9〜11月の第3四半期の通しでは数字も上がってくる」(鈴木誠社長)という。
「無印良品」の良品計画は同13.9%減(同5.2%減)と、6月以来4カ月連続の前年割れ。「インナー、アパレルを中心に回復傾向にある」(発表資料より)ものの、衣服・雑貨カテゴリーも同4.6%減と落とした。衣服・雑貨は今秋冬物でサイズ見直しなどを含め、抜本的改革を行ってテコ入れを進めている。