オンワードホールディングス(HD)の2022年3〜8月期連結業績は、営業損益が1億9300万円の黒字(前年同期は32億円の赤字)だった。上期(3〜8月期)としては19年2月期以来、4期ぶりの営業黒字に転換した。中核事業会社オンワード樫山の主力ブランドが復調し、業績回復をけん引した。連結売上高は前年同期比1.7%増の821億円。前年同期に不動産売却益を計上した反動減で、純利益は同93.6%減の4億7600万円だった。
オンワード樫山の売上高は前年同期比11.3%増の460億円、営業損益は3億3200円の黒字(前年同期は32億円の赤字)に転換した。主力ブランドの前年同期と比較した売上高は、「23区」が22.3%増、「ベイジ,(BEIGE,)」が19.3%増、「自由区」が11.9%増と、軒並み業績を伸ばした。
オンワード樫山のリアル店舗の売上高は前年同期比15.2%の増収。店舗での取り寄せ・試着サービスの「クリック&トライ」が効果を発揮している。同サービスは9月末時点で、オンワード樫山の4割超にあたる330店舗に導入が完了。取り寄せ・試着の予約商品点数は、9月の1カ月間で1万8500点と、3月から半年で倍以上に増えた。導入店舗の売り上げはおしなべてコロナ前の19年水準の4%減程度まで回復する一方、未導入店舗は平均同25%減程度にとどまっていることから、導入効果は鮮明となっている。6日に会見した保元道宣社長は「店頭スタッフとお客さま、共にサービスへの認知と理解が進み、より便利で効率的なお買い物ができるようになってきている」と手応えを口にする。
23年2月期通期連結業績は、売上高が前期比3.2%増の1738億円、営業損益が41億円の黒字(前期は10億円の赤字)、純利益が同74.3%減の22億円を予想する。営業利益面では19年2月期(44億円の黒字)と同水準を見込む。「近年進めてきたグローバル事業構造改革により、筋肉質な事業体制が出来上がっている」と保元社長。「縮小を続けてきた店舗についても、優良物件を精査しながら再び拡大に舵を切る。積極的に売り上げを上げていきたい」。