アダストリアの2022年3〜8月期連結業績は、売上高が前年同期比21.6%増の1125億円、営業利益が同781.6%増55億円、純利益が同767.3%増の38億円だった。基幹ブランドの「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」が、売り上げ・利益ともに好調だったことに加え、積極出店している生活雑貨の「ラコレ(LAKOLE)」が売り上げを押し上げた。「不要な値引きをせず夏のセールも乗り切ることができ、3〜8月は想定通りに推移した」と木村治社長は振り返る。
原料高や円安を受け、「今秋冬物の原価率は前年秋冬に対し1.5ポイント高まっている。全ブランドの商品の平均で、小売価格は前年秋冬より250〜300円ほど高くなっている」(大屋守上席執行役員生産統括本部長)。ただし、「(前年に対し値上げした)22年春夏や今秋の立ち上がりを見る限り、値上げによる離反は見られない。逆に、価格を上げて質の高い商品を投入した『ハレ(HARE)』『ページボーイ(PAGE BOY)』などは、より濃いファンが増えている」(木村社長)と手応えを得ている。
今後は、早期発注や使用素材や工場の集約、アセアン生産比重を高めることなどで値上げを極力抑える。その上で、23年春夏物は前春夏に対して、原価率が1.5ポイントほど高まる見込み。
積極出店を続ける中国本土は、上海のロックダウンの影響で出店計画はやや後ろ倒しになっている。現状は上海に7店を運営しているが、今期末(23年2月)に向けて成都、重慶にも出店する。23年2月末時点の中国本土の店舗数は13店となる見込み(期初計画では16店)。「中国本土はロックダウンが断続的に続いているが、台湾や香港、米国などの事業が底上げする形で、23年2月期も海外事業として黒字を達成できる」と北村嘉輝常務。