グラミー賞受賞歌手のビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)は11月中旬、2作目となる香水“アイリッシュ ナンバーツー”を米国で発売する。価格は72ドル(約1万200円)で、自社サイトおよびウルタ(ULTA)で販売する。
新作は昨年11月に発売したデビューフレグランス“アイリッシュ バイ ビリー・アイリッシュ オードパルファム(以下、アイリッシュ)”をベースに、よりスパイシーでダークに仕上げた。トップノートにアップルやベルガモット、ミドルにパピルスやブラックペッパー、ベースにパロサントなどを組み合わせた。日本の香料メーカー、高砂香料が香りを手掛けた。
ビリーは「新作は“アイリッシュ”をベースにしているが、ウッディーなノートを多く入れ、よりダークでミステリアスにした。スパイシーでありながら、柔らかなバニラを重ねた。色で表すとダークなグレー、メタリック、シルバーのような香り」と語った。
ビリーは共感覚を持ち、それが香りの着想源になっている。100本以上の香水を持つビリーは「昔からフレグランスを作りたくて、“アイリッシュ”を作るのは長年の夢だった。そんな夢をさらに追い続けられることはとてもワクワクする」とコメント。
市場にはセレブリティがプロデュースする香水は多くあるが、中でもビリーの香水は絶好調だと語るのは、ビリーのフレグランスビジネスを手掛ける米パーラックス(PARLUX)のロリ・シンガー(Lori Singer)社長。「当初の売り上げ計画を大幅に上まわるほど。最初は販売をD2Cで始め、広告を出すことなくわずか数分で完売した。これはビリーと彼女の熱烈なファンの力を物語る。その後ウルタを独占パートナーとして卸にも参入し、元々の計画の2倍売り上げた」と話した。今後の具体的なプランは明かさなかったが、「3年以内に売上高2億ドル(約286億円)を目指す。ビリーのクリエイティブなビジョンとフレグランスへの熱意により、今後業界の中でも注目のフレグランスブランドになるだろう」。業界筋は“アイリッシュ”の初年度の売り上げは6000万ドル(約85億8000万円)を超え、今回の新作も同様の売り上げを達成すると予測する。
なお、日本ではフィッツコーポレーションが国内総代理店契約をパーラックスと契約し、先月“アイリッシュ”をプレミア先行発売したところ、瞬く間に完売。10月15日には“アイリッシュ”をフィッツ公式ストアやロフトなどの一部のストアで先行発売する。価格は30mLで税込み6050円。“アイリッシュ”はトップにシュガーペタル、マンダリン、ウォームベリー、ミドルにクリーミーバニラ、ソフトスパイス、ココア、ベースにスリークウッド、ウォームムスク、トンカビーンズを組み合わせた。甘いシュガーペタルから繊細なクリーミーバニラへと優しく変化する香りだ。なお、一般販売は来年2月初旬からを予定している。