2019年2月に亡くなったファッションデザイナーのカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)の伝記映画の制作が発表された。カールを演じるのは、アメリカ人俳優のジャレッド・レト(Jared Leto)で、制作についてもジャレッドとそのビジネスパートナーである映画プロデューサーのエマ・ラドブルック(Emma Ludbrook)の制作会社、パラドックス(PARADOX)とカール・ラガーフェルド社が共同で行う。撮影開始時期やストーリーについては明らかではないが、カール・ラガーフェルド社は「カールの人生における重要な人間関係を映し出す。プロデューサーは現在、制作会社と話し合いを進めている」とコメントした。
制作にあたり、カールが最も信頼していた3人がエグゼクティブ・プロデューサーとして携わる。カール・ラガーフェルド社のピエール・パオロ・リーギ(Pier Paolo Righi)=最高経営責任者(CEO)と広報なども担当するカロリーヌ・ルバー(Caroline Lebar)=上級副社長は、35年間カールの側近としてマスコミ対応などのアドバイスをしていた。20年以上、カールのパーソナル・アシスタントでボディーガードも務めたモデルのセバスチャン・ジョンドー(Sebastien Jondeau)は、18年に「カール・ラガーフェルド」でプロデュースしたカプセルコレクションを発表したほか、昨年にはカールの4年間におよぶがんとの闘病生活をつづった本を出版している。
リーギCEOによると、これまで何人ものプロデューサーからカールの半生を描く映画化の申し入れがあったが、「ジャレッドとエマの芸術性のあるストーリーに確信を持った。きっとカールも楽しみにしてくれるだろう」と今回初めて承諾したという。
ジャレッドは初めてカールに会った時に、「いつか映画であなたを演じたい」と話した。するとカールは、「君しかないよ、ダーリン。君だけだ」と満足気に答えたという。ジャレッドは「今がまさにその時であって、カールもきっと僕たちのことを誇りに思っていると思う。彼はファッションデザイナーであり、写真家であり、アーティストだった。彼自身を定義することができないほど、創造性にあふれるエネルギッシュな人だった。僕の役目は、スクリーンでできる限り誠実にカールを表現することだ」と期待を込めた。
ジャレッドは、13年に公開された「ダラス・バイヤーズクラブ(Dallas Buyers Club)」でアカデミー賞助演男優賞とゴールデングローブ賞最優秀助演男優賞を受賞したほか、数々の作品に出演。今年は、グッチ(GUCCI)の創業者一族の争いを描いた映画「ハウス・オブ・グッチ(House of Gucci)」で創業者の孫息子、パオロ・グッチ(Paolo Gucci)を演じて話題を集めた。