クラシック音楽をもとに、その曲をイメージした香りを作るニッチフレグランス ブランドの「ラニュイ(LA NUIT)」は、プロダクト第2弾として、アレクサンドル・スクリャービン(Alexander Skrjabin)のピアノ曲を題材にした香水を製作した。10月20日から伊勢丹新宿本店で行われる香りの祭典「サロン ド パルファン」で販売し、三越伊勢丹の化粧品EC「ミーコ(MEECO)」では19日に発売する。
題材にしたのは、スクリャービンの後期のピアノ曲「ピアノソナタ7番“白ミサ”」「同9番“黒ミサ”」「同10番“昆虫”」。曲自体を知らなくても、その独特な名前に思わず興味をひかれてしまう人も多そうだが、「恍惚、官能の極致といった、スクリャービンの独創性が最もよく表現された曲」(同ブランドを手掛ける編集者の海老原光宏)なのだという。
その楽曲の世界観をもとに、香り文化の普及などに務めるプロジェクト「かほりとともに、」を主宰する沙里が調香を担当した。「白ミサ」は「爽やかさの中にかすかに際立つ色気と危うさ」、「黒ミサ」は「神秘の残響を刻む圧倒的に不穏な香り」、「昆虫」は「豊かな土壌に草木が生い茂り、虫が飛び交う」といったイメージだ。
3曲のオードパルファン(各10ミリリットル)をセットにして販売する。香水に加え、スクリャービンをレパートリーにしているアレクサンダー・ガジェヴ、福間洸太朗など14人のピアニストへのインタビューや、音楽家・文筆家の菊地成孔によるスクリャービンについてのエッセイなどで構成するブックレットが付属する。また、貴重なスクリャービン自身の演奏など5曲を収めたCDも付く。価格は税込2万7500円。
ほかに、スクリャービンのピアノ曲「炎へ向かって」を題材にした商品も企画している。アロマキャンドル(8910円)や、ピアニスト福間洸太朗の手を石膏で型取りしたオーナメントと精油のセットがある。精油をオーナメントに染み込ませて香りを楽しむもので、左手、右手それぞれが1万6500円。オーナメントと精油のセットは、アロマブランド「バロン(BALLON)」と協業で製作した。