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「ガルプラ」出身スー・ルイチー あのヘアカラーの秘話やお気に入りの日本アニメを語る

スー・ルイチー/アーティスト

PROFILE:2000年8月20生まれ、中国・四川省出身。身長164cm。2017年と18年にガールズグループのメンバーとして2度デビューし、2度のオーディション番組出演も経験後、21年に「Girls Planet 999:少女祭典」へエントリー。9位までがデビューを勝ち取れる中、13位で惜しくも敗退。その後、同年12月に楽曲「《燎》(The Phoenix)」で本格的なソロ活動をスタートさせた

 中国・四川省出身のスー・ルイチー(Sury Su)は、韓国の音楽専門チャンネル「エムネット(Mnet)」による2021年放送の日本・中国・韓国の合同ガールズグループオーディション番組「ガルプラ」こと、「Girls Planet 999:少女祭典」に出演していたアーティストだ。番組では約1万3000人の応募者から選ばれた3カ国33人の合計99人がエントリーし、数々の試練やファン投票を通して18人のファイナリストを選出。最終的に勝ち残った9人がガールズグループのケプラー(Kep1er)としてデビューした。ファイナリスト18人でファンからの人気は高かったものの、ケプラー入りを惜しくも逃してしまったのがルイチーである。

 歌、ラップ、ダンスの三拍子がそろったオールラウンダーのルイチーは、21年12月から自国でソロ活動をスタートし、わずか半年後の22年4月には楽曲「≪燎≫ The Phoenix」で日本デビュー。勢いそのままに、10月にはアーティストの一発撮りのライブを発信する人気ユーチューブチャンネル「ザ・ファースト・テイク(THE FIRT TAKE)」に、史上初の中国人ソロ・アーティストとして出演した。今回、これを記念して彼女の素顔に迫るインタビューを実施。「ガルプラ」へエントリーしたきっかけや、ソロデビューの経緯、好きな日本のアニメについてまで、赤裸々に語った。

日本デビュー曲の「≪燎≫ The Phoenix」。「ザ・ファースト・テイク」の特別バーションとして、日本語と中国語、そしてラップパートでは英語を駆使するオリジナルアレンジを披露した

「Girls Planet 999:少女祭典」出演前にリリースした「≪摘星≫ Seize The Light」

ーーまずは、簡単なプロフィールから教えてください。

スー・ルイチー(以下、ルイチー):中国の四川省という、パンダや火鍋など辛い食べ物が有名な街で生まれました。家族構成は姉が1人いて、2人とも小さい頃から“興味があることや楽しいと思うことは何でもやっていい”という考えを持つ両親に育てられたので、今の仕事も応援してくれています。

ーーというと、両親の職業はエンタメ系でしょうか?

ルイチー:お父さんは税務局で働く公務員で、お母さんは主婦です。でも、お父さんは堅い職業ですが歌ったり踊ったりすることが好きな人で、小さい頃はお父さんの同僚の方とよくカラオケに行っていましたね。

ーー幼い頃の夢や影響を受けた憧れの人物は?

ルイチー:小さい頃は、テレビに出るのが夢でした。中国には有名なオーディション番組があり、両親と一緒にそれを見てモノマネをしていました。影響を受けたアーティストは、台湾の女性アイドルユニットのエスエイチイー(S.H.E)と、韓国の男性アイドルグループのスーパージュニア(SUPER JUNIOR)ですね。どちらもボーカルダンスグループで、世の中には彼らのようなグループがいるのかと驚き、ステージ上で輝く姿を見て心を打たれ、同じような仕事をしてみたかったんです。

ーーグループの一員としてステージに立ちたかったんでしょうか?

ルイチー:当時はそこまで考えていなくて、きっかけがグループだったので練習生になる必要があるとは思っていました。その先に何が待っているのかや、何をすればいいのかは分かりませんでしたし、考えてもいませんでしたね。

ーー中国は、ルイチーさんのように歌って踊る女性ソロアーティストのイメージが薄いです。

ルイチー:その通りで、ソロシンガーはたくさんいますが、私のように歌って踊るアーティストは少ないです。

ーー2017年と18年に2度デビューを経験していますが、その頃を振り返るといかがですか?

ルイチー:何もせず、何も考えずに出演していたなと思います。映る時の魅せ方や出方など、ブランディングをもっと考えれば良かったのに、日々ぼーっとしすぎていましたね。でも、その経験があったからこそ今に生かせているし、経験が糧にはなっています。

ーーそれでは、「ガルプラ」にエントリーしたきっかけを教えてください。

ルイチー:友人から日中韓の3カ国のオーディションがあると聞き、興味を持ちつつも最初は葛藤がありました。というのも、中国で受けた2回のオーディションがどちらもいい結果ではなかったし、プレッシャーも大きかったからです。ただ、国際的なカラーがすごく魅力的だったし、スーパージュニアが好きだったので、韓国に関わりがあるなら受けてみようと、体験したい気持ちが勝りました。

 「ガルプラ」では、みなさんが思うほど順調に物ごとは進まず、夜眠れない日があったり、初めて半年以上も海外に滞在したり、とにかく大変なことばかりでした。それでも、過去に中国で受けた2回のオーディションとは違い、最初から最後まで見せたい姿を見せることができたので悔いはないです。

ーー日中韓の文化の違いを感じるようなことはありましたか?

ルイチー:ざっくりですが、やっぱり国ごとに性格が違うなと思いましたね。中国は男の子っぽくて、日本はかわいらしくて、韓国はこだわりが強い。あと座り方一つとっても、中国は脚を開いて座るけど、日本は絶対に膝を付けて閉じているなど、常に新鮮でした。

ーー「ガルプラ」後、ソロデビューに至った経緯を教えてください。

ルイチー:グループを組む機会がいただけると思い「ガルプラ」に参加したのですが、実はその前からソロ活動のことを考えていました。結果として「ガルプラ」でグループを組むことができなかったので、ソロとしての活動を決めたんです。

ーー自らが考える強みと弱みは?

ルイチー:ステージ上での安定したパフォーマンス力が強みだと思っています。

ーー楽曲「≪燎≫ The Phoenix」は、「ガルプラ」での思いを込めた楽曲だそうですね。

ルイチー:歌詞を書いた時はパンデミックの隔離期間で、ゲームが好きなので、当時はオンラインの試合を観戦していました。誰にもどこにも期待されていなかったチームが優勝し、それが「ガルプラ」でいい結果を得られずに挫折しかけていた私の心に刺さって、その感情を歌詞に落とし込んだのが「≪燎≫ The Phoenix」なんです。ちなみに「リーグ・オブ・レジェンド(League of Legends)」を観戦していました(笑)。

ーー「≪燎≫ The Phoenix」は日本語版もありますが、母国語である中国語と歌い分ける難しさはありましたか?

ルイチー:日本語版は、発音がとにかく苦労しましたね。日本語と中国語の発音は全く違うので、レコーディングしている時に間違いを指摘されても、どこが間違っているのかすら分からず、直しようがない状態でした。言語によって歌い方を変えていて、中国版では屈しない気持ちを表現するため物語を語るように、日本語版では燃えたぎるような力強いイメージで歌っています。

ーーソロ楽曲とグループ楽曲を経験して思う、それぞれの違いは?

ルイチー:ソロになると全てを自分で表現しなければいけないので、実力も魅力も表現力も問われますよね。でも、裏を返せば全て自分でコントロールできるし、ほかの人との兼ね合いも気にせずにいられるので、自らが思い描く世界観を自由に表現できます。グループは、高音やダンスが苦手だったらほかのメンバーが補ってくれるし、長所を伸ばし短所を分散できるのが素晴らしいです。

ーー好きなファッションのスタイルはありますか?

ルイチー:ファッションはいろいろなスタイルに挑戦したいタイプで、カジュアルやヒップホップ、ロック、シンプル、デコラティブなど、ジャンルにとらわれずその時の気分で決めますね。とても好きなアイテムがあれば、それをベースにスタイリングを決めることが多いです。

ーーお気に入りのアイテムはありますか?

ルイチー:帽子とメガネが好きです。帽子を被るか被らないかでコーディネート全体のイメージが変わってくるし、メガネはアクセントになるので重宝します。

ーー「ガルプラ」では、ヘアカラーもアイデンティティーの一つでしたね。

ルイチー:ヘアカラーは、少し変わるだけで全体の雰囲気が一変するので気を遣っています。「ガルプラ」に出演していた時のグリーンっぽいブルーが印象的だとよく言われるんですが、実は本当はパープルだったのに、カラーシャンプーをして色が落ちてしまった状態なんです(笑)。近いうちにヘアカラーを変えようと思っているので、楽しみにしていてください!

ーー先ほど「リーグ・オブ・レジェンド」の名前が挙がりましたが、趣味はゲームで、日本のアニメも好きなんですよね?

ルイチー:アニメを観るようになったきっかけが、小学5年生の時に友だちに勧められた「フェアリーテイル(FAIRY TAIL)」で、日本の作品を観ることも多いです。「呪術廻戦」や「進撃の巨人」「鬼滅の刃」「東京喰種トーキョーグール」などもお気に入り。「リーグ・オブ・レジェンド」はバトルゲームだし、私はとにかく戦闘シーンが好きなんだと思います(笑)。

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