濱田博昭デザイナーによる「ニューレーベル シーエム1ワイ0ケイ42(NULABEL CM1YOK42以下、ニューレーベル)」は、 “トランスフォーム”をキーワードに掲げた2023年春夏コレクションで、テントに早変わりするプルオーバーのビッグポンチョ(8万1000円税込、以下同)を発表した。ポンチョのフードを中心にし、ポールを立てて裾をペグで留めるとテントになる設計だ。素材には40デニールのコーデュラリップストップナイロンを使用し、シリコンコーティングを施して撥水性と汚れ防止機能も加えた。収納袋とペグ3本も付く。キャンプに夢中になっているという濱田デザイナーいわく、「実際にキャンプで使用できる本格スペック。これがあればソロキャンプはいける」。
ほかのアイテムも、着丈をアレンジできる2ウエイ仕様やポケッタブルなどのギミックを採用した全24型。虫除けとしても機能するメッシュ素材のフードジャケット(6万円)や、裾を折りたたんで丈の長さをアレンジできるハンティングジャケット(9万円)、胸のビッグポケットに収納できる軽量なパッカブルシャツ(3万3000円)、リバーシブルで着られるジャケット(6万8000円)とスエットシャツ(2万7000円)などをそろえる。「いつもより型数は少ない。その代わりに一つ一つを作り込んだ」と濱田デザイナー。
また、数年前にスタートした、地方の伝統工芸を採用したアイテムでは、愛知の有松鳴海(ありまつなるみ)絞りを使ったシャツ(4万5000円)とロングパンツ(4万5000円)、ショーツ(3万3000円)を用意する。無染色のリサイクルナイロンを職人が手作業でベージュに染め上げた後、絞りとともに藍色に染め直して柄を表現しており、濃淡のコントラストが魅力だ。「伝統的な染めを化繊で行うのが面白いと思って。気張らず、日常でサラっと着てもらえたら」。
現在の国内での取り扱いアカウントは約15。コロナの影響で複数店舗での扱いあった業態が閉鎖するなど、縮小傾向にあるが、濱田デザイナーは前を向く。「ここが勝負どころ。マーケットを踏まえながらも、自分の面白いと思うことをしっかりと伝える。現物を見ないと理解しづらいクリエイションでもあるので、最適な表現方法も考えていきたい」。