REPORT
カールが解釈する花鳥風月とデジタル世界のうねり
今季、カール・ラガーフェルドとシルヴィア・フェンディは日本の植物画から着想を得た。着物に描かれる色とりどりの花や鳥などの模様を刺しゅうやジャカードの織り、ファーで再現し日本の花鳥風月を表現。そこにデジタルをイメージさせるモチーフをポップな色使いで加えて、新旧をミックスしたユニークなアプローチを見せた。
スタイルの鍵になったのは、カールが"ウェーブス(波)"と呼ぶ、フリルやラッフル、波模様のストライプなど、くねくねしたディテール。これは、海の波や海洋植物のうねりにも見えるが、電磁波グラフや液晶画面の波打ちなど少しデジタル的な波にも見える。色はパープルやサファイアブルーのネオンカラーに、ネイビーやダークグリーンの暗いトーンでコントラストを作ることで、どこか幾何学的でサイケデリックな雰囲気が漂う。また、総フリルのドレスは、日本の“カワイイ”カルチャーの要素を取り入れているよう。ゴールドのロングスカートには、アコーディオンプリーツをサイドに差し込むことで歩くたびに、波打つように動く仕掛けを取り入れた。
“ウェーブス”は、バッグとシューズのディテールにもふんだんに取り入れた。フルレングスのロングブーツは、スエードのような質感で、肌にぴったりとなじみ、レギンスに代わるストッキングシューズとして提案する。ワンハンドルのアイコンバッグ“ピーカブー”にもサイドに大きなフリルをあしらい今季の雰囲気にアップデートした。