毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2022年10月24日号からの流用です)
ソーン:3年半ぶりのフェムテック特集でしたが、私は宮路拓馬議員、髙橋くみベア ジャパンCEOの対談を担当しました。「健全なマーケット」という言葉が使われ、検証段階に入ってきたんだと思いました。数が増えればいい、フォーカスされればいいという段階を過ぎて、品質を高めることやエビデンスの確認など、ブームで終わらないために必要なことが見えてきていると感じました。
新関:伊勢丹やユニ・チャームの「ソフィ」は“フェムテック”という言葉が広まるずっと前から市場を切り開いてきていて、ようやく日の目を見たのだと感じました。売れないからとすぐ諦めるようではもったいない。やる意味を考えて、長く続けることが重要ですね。あと、やはり教育がすごく大事で、決定権のある人が分かっていないことも多いようです。
ソーン:教育は本当に大事ですね。知識がないために更年期障害を自覚せずに3年くらい過ごす人が多いそうです。そういった現状を踏まえて、更年期対策の商品も、「40代のホルモンに効く」といったアプローチをすると響くそう。どういう言葉を使うかも考えるべきですね。
木村:私はウーマンズを取材しましたが、フェムテックの場合は「健康行動を促すことからやらなければいけない。そこが抜けているのが苦戦する企業の共通点」という話が印象的でした。
新関:いろいろ課題も見えてきていますよね。薬機法も規制が厳しかったりとアップデートが必要です。
木村:フェムテックというと、バストやデリケートゾーンのことに気が向きがちですが、これまで見過ごされてきた女性のニーズはもっと多様です。そういった認識の偏りは私たちメディアの責任でもあるので、私たちももっと勉強しないといけないですね。