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行政の“お墨付き“でフェムテック市場に順風 生理などによる労働損失は6000億円超!【自民党議員×ベアCEO対談・前編】

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 女性のヘルスケアに特化したフェムテック系サービスにより女性特有の健康課題を含む福利厚生や社内制度の見直しが進む中、行政も全面的にフェムテックの推進に乗り出している。日本発のフェムテック企業のパイオニアであるベア ジャパンの髙橋くみ代表取締役CEOと、自民党のフェムテック振興議員連盟(以下、フェムテック議連)で事務局長を務める宮路拓馬衆議院議員に、なぜ成長産業として期待できるのか、企業と行政が連携することで生まれる市場の可能性を聞いた。(この記事はWWDジャパン2022年10月24日号からの抜粋に加筆をしています)

WWDJAPAN(以下、WWD):フェムテックの推進により、職場環境にどのような影響を与えられるか?

宮路拓馬衆議院議員(以下、宮路):生理に伴うさまざまな症状によって、経済産業省調べで6828億円のネガティブな経済的インパクトがあると計測されている。さらに妊娠・出産、不妊治療、女性特有の疾患、更年期等を含めると、その額は毎年6兆3700億円にも上ると言われている。フェムテックという言葉と共に、女性が抱える健康課題、ヘルスケアリテラシーが高まれば、より生理休暇を取りやすくなったり、更年期の体調を考えてキャリアプランを考えたりできるだろう。結果的に仕事のパフォーマンスや効率アップにつながり、企業側にとっても女性の働き方にとっても大きな意味がある。

髙橋くみベア ジャパン代表取締役CEO(以下、髙橋):女性の活躍推進を考えた時に、男女の根本的な体の違いをわかっていないと、そこから進むことができないので非常に重要だ。実は、生理休暇を世界で初めて作ったのは日本と言われている。海外の友人に生理休暇の話をすると「そんな素晴らしい制度が日本にあるのか」と驚かれる。 取得率が低いという問題はあるが、1947年にそれを制定したのはすごいこと。海外に比べて日本は遅れていると思われがちだが、ポジティブな面も多くある。

宮路:以前、フェムテック議連が米国のメディアに「日本で、男性の政治家も含めて議論が行われている。これは、刮目すべきことだ」と取り上げられた。日本も周遅れではあるが、必死に追いつこうとしている、という姿勢を感じてもらったと思っている。

経産省が労働損失を数字で出していることが重要

WWD:行政と企業が連携することで、どのようにフェムテックの推進に貢献できると考える?

髙橋:まず素晴らしいと思うのは、女性特有の症状に関する労働損失を経済産業省がきちんと数字で出していること。これは、海外を調べても出てこない。数字があることで企業側も解決に向けて具体的な考えに至るし、大きなステップとなる。今後は、行政だけでなく医療のサポートも必要。医療と行政と企業が一体となって、女性の健康をテクノロジーで解決するのがフェムテックだと思う。

宮路:2020年にフェムテック議連を立ち上げたことで、政治が初めて、真正面から女性の健康課題にコミットする姿勢が示された。そして提言をまとめあげ、骨太の方針への記載やフェムテックサービスの補助金制度につながった。これは経済界に対するメッセージであり、これから必要な規制の見直しなどがあれば、それは政府が責任をもってやっていくということ。鹿児島でも、企業、婦人科領域の病院、美容系の病院、女性就業者の多い企業が連携。フェムラインという、SNSなどを使ってより気軽に健康相談できるサービスを開始した。このように経済産業省も厚生労働省も事業推進を行っていることで自治体も企業も関わりやすくなったはず。

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