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シカに続くヒット成分となるか 今注目の「アラントイン」とは?

 アットコスメ(@COSME)の口コミで「アラントイン」という成分名の出現率が増加しているそうだ。炎症の鎮静、皮膚を保護作用があるとされる成分で、長期化するマスク生活のレスキューアイテムとして人気を集めた「シカ」に続く成分として成長していくのかを検証する。まずは、アラントインを配合した製品を展開する4ブランドにリサーチした。

 資生堂「イハダ(IHADA)」薬用ケアシリーズPR担当北村幸子は、「9SKUを展開する『イハダ』薬用ケアシリーズは、1〜8月の累計販売金額が前年同期比36.8%増となった」と明かす。

 ミスト状化粧水「キュレル(CUREL)」“ディープモイスチャースプレー”は、 8月単月の売り上げは前年同月比16%増で、1~8月は前年同期比25%増と好調に推移している。村上由佳 花王化粧品事業キュレルPRは、「アラントインは、抗炎症作用を持つ成分で、医薬部外品の有効成分として厚生労働省に承認された成分。弊社以外にも、多くの商品での使用実績がある」とコメント。

 「ラゴム(LAGOM)」は、アラントインの配合量を増やした“センシティブ シカクリーム”を8月24日にリニューアル発売した。松浦南厘ラゴムPRは「アラントインは、鎮静効果に優れ、敏感で荒れた肌を健やかにケアし、バランスの取れた肌に導く効果が期待できる。4つのシカ成分はそのままに、アラントインと同じく肌荒れを防ぐ効果が期待できるカラミンを新配合したのも特徴だ。メインユーザーは、20~30代の男女で、マスク荒れや季節の変わり目の肌荒れ、揺らぎ肌にお悩みの人が多い。無香料で、敏感に傾いた肌のお助けクリームとしても支持されている」。

 外資系大手化粧品会社でマーケティングや製品開発に携わり、現在はスキンケア研究家・コメンテーターとして活躍する三上大進氏がプロデュースするスキンケアブランド「dr365」。導入ビタミン美容液“V.C. プレエッセンス”は、定期購入者のリピート率が94.3%と、支持を集めている。三上氏は「肌に起こる炎症を365日、日々のスキンケアで改善、予防していくことに願いを込めて処方した。『dr365』では皮膚科医監修のもと、有効成分としても知られる植物由来のアラントインを、抗炎症を目的に配合処方している」と話す。

 また、原田彩子アットコスメリサーチプランナーに、アラントインにまつわる口コミについて詳細を聞いた。

――― 8月末時点で「アラントイン」の出現率は?

原田プランナー:8月単月で見ると前月と比較し1.2倍の出現率となった。過去3カ月平均と比較すると、0.98倍となるなど増減を繰り返している。現時点では、決してビッグワードではないものの、「肌荒れやニキビなどの効果を期待した」という声が散見される。

――― いつから口コミに登場しているのか。

原田プランナー:アラントイン自体は、アットコスメが設立された約20年前から出現している。12年をピークに約10年間は減少傾向にあったが、22年は前年比1.3倍の出現率だ。ただし、21年1月から12月の平均と22年1月から8月末時点の平均での比較となる。

――― どのようなワードと関連して出現しているのか。

原田プランナー:「抗炎症」「組織修復」といった、期待できる働きと合わせて投稿されるケースが目立つ。決して認知度が高い成分ではないので、読み手に分かるように意識して説明しているのではないか。また「整える」「守る」というワードも多くみられる。

――― 主にどのような製品で使われているのか。

原田プランナー:「イハダ」“イハダ 薬用ローション(しっとり・とてもしっとり)”(各180mL、税込各1650円※編集部調べ)、「キュレル」“潤浸保湿フェイスクリーム”[医薬部外品](40g、税込2530円※編集部調べ)、「メラノCC」“薬用しみ集中対策 プレミアム美容液”(20mL、税込1628円※編集部調べ)、「ヘパソフト」“薬用顔ローション”[医薬部外品](50g、税込1210円 100g、税込1650円※編集部調べ)、歯磨き粉「システマ」“システマ ハグキプラス”[医薬部外品](90g、税込728円※編集部調べ)など、多岐に渡り展開されているのも特徴だ。

――― 生活者は、どのような効果・効能を期待していると考えらるか。

原田プランナー:直近2年間にアラントインを含む口コミを投稿した人の肌質をみると、約25%が「敏感肌・アトピー」と自己申告している。これは、投稿者全体と比較し10ポイント以上高い数値で、肌が敏感な人たちからも選ばれている様子がうかがえる。また、保湿効果の高さを評価するコメントもある。

――― 8月末時点で、注目の成分は。

原田プランナー:「ビタミンC」「ナイアシンアミド」「レチノール」はビッグワードで、昨年と比較し伸長している。未だまだ出現率は低く商品も限られているものの「アゼライン酸」は、2022年は前年比2.8倍の出現率(21年平均と22年1月〜8月31日時点での比較)と伸長している。穀類や酵母に含まれる天然由来成分で、ニキビなどへの効果も期待されるようだ。マスクニキビの悩みは継続すると予測できるため、アラントイン同様に今後の動きが注目される。

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