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「オニツカタイガー」がサボテン由来の新素材開発 “メキシコ 66 カクトフル”を2023年発売へ

 「オニツカタイガー(ONITSUKA TIGER)」は10月27日に、メキシコに拠点を置くデザート(DESSERTO)社と共同開発したサボテン由来の新素材を使用した新作“メキシコ 66 カクトフル(MEXICO 66 CACTFUL)”を発表した。2023年1月に日本を含む世界15カ国で1万足を発売予定。価格は税込1万6500円。同日メキシコ大使館で記者発表会を開き、庄田良二カンパニー長とメルバ・プリーア駐日メキシコ大使が登壇した。

 ベースとなったサボテン由来のバイオ素材“デザート”は、フタル酸エステルやPVCを使用せず、製造工程における水使用量も比較的少ないことから、環境配慮素材として注目を集める。今回はメキシコに数多く生息するウチワサボテンを原料に使用した。「オニツカタイガー」は1年間の共同開発期間を経て、素材の柔軟性や耐久性などを向上させた。デザート社によると、アニマルレザーの生産工程と比較して二酸化炭素排出量を84.8%削減できるという。製造時に残ったウチワサボテンは飲食業界で食用に活用される。

 カラーは染色しやすい特性を生かし、ホワイト、イエロー、ブルー、パープル、グリーンの5色を企画した。アニマルレザーよりも軽量で、通常の“メキシコ 66”が片足250gなのに対し、同モデルは228g。中敷やシューレースには、リサイクルポリエステルを使用した。

 “メキシコ 66”モデルは、1968年にメキシコで開催されたスポーツの祭典で日本選手団のために製作したトレーニングシューズで、ブランドを代表するアイテムの1つ。庄田カンパニー長は、「メキシコというルーツに親和性を感じサボテン素材に着目した。最初に見たときはシューズに適用させるのは難しいと感じたが、その後当社の知見を掛け合わせ試行錯誤を重ねた結果、同モデルが完成した。今後も主力商品として継続販売していく。素材は独占せず、他企業にも活用してもらう計画だ」と話す。

 プリーア駐日メキシコ大使は、「メキシコではサボテンは、観賞用だけでなく食用や化粧品など幅広く使用されている。メキシコの基幹産業の1つでもあり、『オニツカタイガー』のようなサステナビリティに意識の高い企業が、メキシコを象徴するサボテンを取り入れてくれたことに感謝する」と話した。

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