「ザラ(ZARA)」などを擁するインディテックス(INDITEX)は10月25日、ロシア事業をアラブ首長国連邦を拠点とするダヘル・グループ(DAHER GROUP)に売却することで初期合意に至ったと発表した。取引額は明らかにされていない。
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受け、インディテックスは3月5日にロシアで展開する502店舗を全て休業し、オンラインストアでの販売も停止した。事業の売却にはロシア政府の承認が必要だが、店舗の大半はリース権も譲渡されるため、雇用の多くが維持される見込みだという。なお、売却後の店舗では、家主と合意の上でダヘル・グループが擁するブランドを展開する。
今回の売却によりインディテックスはロシア市場から撤退することとなるが、ロシア情勢が変化すれば、ダヘル・グループとのフランチャイズ契約などを通じて再進出する可能性もあるとしている。また、ロシア事業停止による影響は、2022年上半期にロシアおよびウクライナ関連費用として計上した2億1600万ユーロ(約315億円)の引当金で十分に相殺されるという。