「ゾゾタウン」を運営するZOZOは、リアル店舗を出店する。10月28日の決算発表の中で、明らかにした。澤田宏太郎社長CEOは詳細は明らかにしなかったものの、「単純に売るためのお店ではなく、『似合うを届ける』へのこだわりを表現する場になる。都内にオープンする」と、ショールーミング型のストアになることを示唆した。
22年4〜9月決算は、商品取扱高(GMV)が前年同期比9.4%増の2511億円、営業利益が同14.4%増の272億円、経常利益が同15.5%増の274億円、純利益が同15.3%増の190億円だった。同期間の平均出荷単価は同3.0%増の7566円と大幅な上昇。4〜6月に続き2四半期連続でプラスとなった。ZOZOは、「ゾゾタウン」で取り扱うブランド数の増加により、この数年は出荷単価の減少に歯止めがかかっていなかった。澤田社長は「円安や原料高による商品値上げの影響が大きいが、事業へのマイナスはなく、むしろ荷造り運賃率の低減で利益面ではプラスに働いている。秋冬向けの新作の価格は前年同期比で3〜5%ほどの上昇率。高価格帯の商品の方が値上げ率は高く、低価格ゾーンは少なくなっている」という。
GMVに対する売上高総利益率(粗利率)は34.7%で、前年同期で0.3ポイントの改善。出荷単価の上昇に伴い、荷造運賃率(GMV対比)が0.3ポイント改善の6.9%に低下したほか、この1〜2年進めている物流拠点の作業効率の改善により物流関連費用比率も0.4ポイント改善の3.5%に、人件費率も0.4ポイント改善の6.2%と、主要項目が改善した。ただ、人件費に関しては人材採用も含め、期初からIT投資の強化を掲げてきたが、「この分野は争奪戦になっており、思った以上に人材採用が進まなかった」という。
GMVに関しては、主力の「ゾゾタウン」が11.3%増の1974億円と好調だった。ZOZOコスメが好調で全体を押し上げた。ペイペイモールも18.7%増の227億円と引き続き大きく伸ばした。