ビューティテック企業のパーフェクト(PERFECT CORP)は10月31日、SPAC(特別買収目的会社)を通じてニューヨーク証券取引所に新規上場した。上場時のティッカーシンボル(銘柄コード)は“PERF”で、SPACのプロヴィデント アクイジション コープ(PROVIDENT ACQUISITION CORP)を通じて上場した。SPACは事業を行っていないペーパーカンパニーで、上場後に資金調達を行い、その資金を用いて未公開会社を買収する企業を指す。未公開会社は、時間がかかる従来のIPO(新規株式公開)のプロセスを経ずに上場することができる。
今回のIPOは自社の資金から2億3000万ドル(約340億円)、スナップチャット(SNAPCHAT)を運営するスナップ(SNAP)やシャネル(CHANEL)を含む投資家の私募増資による5000万ドル(約74億円)、先渡契約による5500万ドル(約81億円)を用いた。
アリス・チャン(Alice Chang)=パフェクト創業者兼最高経営責任者(CEO)は、「上場企業となったパーフェクトの進化を誇りに思う。グローバルな株式市場に上場したことを機に、ビューティ・ファッション業界に限らず他業界にも事業を広げ、AR・AIのサービスを進化させてバーチャルテクノロジーをより多くの消費者に届けられるようにする」とコメントした。
パーフェクトは2015年に設立。3Dモデリング技術やAIのディープラーニングを用い、顔認証やバーチャルで製品を試せる技術、デジタルコンサルテーションなどのサービスを提供している。エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES)や「ニュートロジーナ(NEUTROGENA)」など350以上のコスメブランドをパートナーとするほか、グーグル(GOOGLE)などでも導入されている。バーチャルでメイクアップやヘアスタイルを試せる「ユーカムメイク(YouCam Makeup)」をはじめ「ユーカム」アプリシリーズは累計ダウンロード数が10億を突破している。