ワールドは2023年3月期に連結コア営業利益125億円での着地を計画する。達成すれば、コロナ前の20年3月期(130億円)と同水準になる。コロナ禍のダメージが一定程度癒え、リアル店舗への客足が戻る中、今下期(10月〜23年3月)を「縮小均衡から再成長への移行フェーズ」(鈴木信輝社長)と位置付ける。カギとなるのは、主力のブランド事業におけるシーズンの端境期戦略の見直しと、EC販売の強化だ。
ブランド事業では23年3月期に売上高が前期比24%増の1780億円、セグメント利益が同3倍の94億円を予想する。既存店売上高は、構造改革による店舗減を念頭に、20年3月期水準の8割程度への回復を目標とする。すでに上期(4〜9月)でおおむね目標水準まで戻しているが、月次売上高でみると8、9月が20年3月期の7割程度にとどまった。「秋物のプロパー商品を意図的に前倒し展開したが、もっと伸ばせる余地があった」と鈴木社長。この反省を元に、次に迎える端境期(23年1〜2月)は「戦い方を抜本的に変える」。店頭に残る冬物を減らす「在庫計画」、春物を適量・適価で投入する「質と量」、季節の変わり目のニーズを捉える「商品企画」の3つの軸で見直しをかける。
ECは、9月にリニューアルした公式アプリによる顧客接点強化を成長のエンジンにする。メインコンテンツに据えた店頭スタッフのスナップページからのEC送客、パーソナライズされた情報発信などを継続的に強化。「コロナ禍であらゆるお客さまがECを使うことに慣れた」とし、リアル店舗の客足が戻る中で「チャネルホッパー(オンライン、オフラインを使い分ける客)に向けたOMO型のストアの出店検討を進める」。