ファッション

2022年「CFDAアワード」は、さらなる飛躍に期待の「ケイト」や「ボーディ」が受賞

 アメリカファッション協議会(COUNCIL OF FASHION DESIGNERS OF AMERICA、CFDA)は11月7日、その年に活躍したアメリカ拠点のデザイナーを表彰する「CFDAアワード(CFDA Awards)」の2022年度の受賞者を発表した。

 ウィメンズウエア・デザイナー部門に選ばれたのは、「ケイト(KHAITE)」を手掛けるキャサリン・ホルスタイン(Catherine Holstein)。ピーター・ドゥ(Peter Do)やクリストファー・ジョン・ロジャース(Christopher John Rogers)、ガブリエラ・ハースト(Gabriela Hearst)、ラカン・スミス(LaQuan Smith)といった新世代の有力デザイナーたちの中から栄冠に輝いた。ホルスタインは南カリフォルニアとロンドンで育ち、ニューヨークのパーソンズ美術大学(Parsons School of Design)でファッションとファインアートを専攻。「ギャップ(GAP)」や「ヴェラ・ウォン(VERA WANG)」「ジ エルダー ステイツマン(THE ELDER STATESMAN)」で経験を積んだ後、16年に「ケイト」を設立した。クラシックなアメリカンカジュアルを21世紀に向けて再解釈するリアリティーとエッジのバランスに優れたワードローブ提案で支持を集め、19年にはバッグやシューズなどのアクセサリーもスタート。現在はアメリカをはじめ、ヨーロッパ、アジア、中東など世界200店以上で取り扱われている。

 一方、メンズウエア・デザイナー部門は、2年連続で「ボーディ(BODE)」のエミリー・アダムス・ボーディ(Emily Adams Bode)が受賞。ファイナリストには、「フィアー オブ ゴッド(FEAR OF GOD)」のジェリー・ロレンゾ(Jerry Lorenzo)や「アミリ(AMIRI)」のマイク・アミリ(Mike Amiri)、トム・ブラウン(Thom Browne)、ウィリー・チャバリア(Willy Chavarria)が名を連ねていた。ボーディは1989年にアメリカ・ジョージア州で生まれた。スイスで学生時代を過ごした後、パーソンズ美術大学とユージーン・ラング・カレッジ(Eugene Lang College)の二重学位プログラムで、メンズファッションデザインと哲学を学んだ。「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」と「ラルフ ローレン(RALPH LAUREN)」で経験を積んだ後、2016年に「ボーディ」を設立。時代を越えて受け継がれる手仕事が独特の雰囲気を醸し出す一点ものをはじめ、デッドストックやアンティークのテキスタイルを生かしたストーリー性のあるクリエイションに定評がある。19年度「LVMHプライズ」ではファイナリストまで残り、同年の「CFDAアワード」では新進デザイナー賞を受賞。20年度「インターナショナル・ウールマーク・プライズ」ではイノベーション部門のカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)賞を獲得するなど、メンズウエア界の未来を担うデザイナーの一人として期待されている。

 そのほか、アクセサリー・デザイナー部門にはバッグが特に注目を集める「ルアール(LUAR)」のラウル・ロペス(Raul Lopez)が、新進デザイナー部門には18年に自身の名を冠したウィメンズウエア・ブランドを立ち上げたエレナ・ヴェレス(Elena Velez)が選ばれた。新たに設けられたアマゾン ファッション(AMAZON FASHION)の提供によるイノベーション賞は、キム・カーダシアン(Kim Kardashian)が19年に設立したシェイプウエアブランド「スキムス(SKIMS)」が受賞。創設者賞はアンドリュー・ボルトン(Andrew Bolton)=メトロポリタン美術館衣装研究所ウェンディ・ユー主席キュレーターに、ファッションアイコン賞はミュージシャンのレニー・クラヴィッツ(Lenny Kravitz)に、今回新設されたスタイリスト賞はセリーヌ・ディオン(Celine Dion)やゼンデイヤ(Zendaya)といったセレブリティを顧客に抱えるロー・ローチ (Law Roach)に贈られた。

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