LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は、エジプト・シャルムエルシェイクで開催中の国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)に出席し、生物多様性と土壌の回復にコミットすることを発表した。
同社は2020年にイギリス国王のチャールズ3世(King Charles III)が設立した「サーキュラー・バイオエコノミー・アライアンス(Circular Bioeconomy Alliance)」に参画し、アフリカのチャド共和国で行われる環境再生型農業にまつわる研究活動を支援する。最新の研究では、綿花の栽培によって1960年以降90%の面積が失われたチャド湖の保全を目的に、リジェネラティブ・アグロフォレストリー(再生型の森林農業)に焦点が置かれている。地域コミュニティーと協力し、苗床の整備や植樹を行うほか、農家に機材や灌漑技術を提供する。
また同社は、ケリング(KERING)やロレアル(L'OREAL)、シムライズ(SYMRISE)、ユニリーバ(UNILEVER)などが加盟する「ワン・プラネット・ビシネス・フォー・バイオダイバーシティー(One Planet Business for Biodiversity)」と、土壌の健康や影響分析を行うジェネシス(GENESIS)社とラウンドテーブルを共催し、自社のグローバル戦略やサプライチェーン上での技術の実装方法などを紹介した。
LVMHのエレーヌ・ヴァラド(Helene Valade)環境開発ディレクターは、「これらの新たな取り組みは、生物多様性や水資源の保全につながるはずだ。主な目的は、偏った単一品種の作物栽培から、多毛作へと移行することだ。これにより、土壌を回復させ炭素の貯蓄量を増大させることができる」と話し、生物多様性と環境再生型農業は、原材料の調達強化につながると指摘した。
COP27の主催国であるエジプトは、「実行のCOP」をビジョンに掲げ、具体的な行動を求め、過去の公約を実行するための解決策を見つけるよう参加者に呼びかけている。