三越伊勢丹ホールディングス(HD)は11日、2023年3月期の連結業績を上方修正した。修正後は総額売上高1兆750億円(修正前は1兆500億円)、営業利益240億円(同170億円)、純利益240億円(同190億円)とした。百貨店事業の回復が想定以上だった。特に伊勢丹新宿本店では、中国の訪日客が戻っていないにもかかわらず、4〜9月期の売上高が08年の経営統合後の最高を記録した。
同日発表した22年4〜9月期の連結業績は、総額売上高が前年同期比24.2%増の4956億円、営業損益が89億円の黒字(前年同期が77億円の赤字)、純損益が77億円の黒字(同81億円の赤字)だった。首都圏の店舗を運営する三越伊勢丹は、訪日客による免税を除けば、コロナ前の18年実績を上回っており、特に8月以降は2ケタ増が続いている。
MIカード会員やアプリ会員などの識別顧客が売上高をけん引している。特に年間100万円以上購買する区分のMIカード会員の上期(4〜9月期)売上高は21%増で推移しており、通期では予想を200億円上回る約2400億円で着地する見通しだ。