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ヤギ、円安や原料高で経常益20.6%減 22年4〜9月期

 繊維商社ヤギの2022年4〜9月決算は、売上高が前年同期比7.3%増の404億円、営業利益が同11.1%減の3億2500万円、経常利益が同20.6%減の6億1600万円、純利益は同28.9%減の4億1900万円だった。燃料価格・原材料価格の高騰や急速な円安によるコスト高の影響を価格に転嫁できず、大幅な減益になった。

 セグメント別売上高では、高次加工糸などの差別化原料や車両向けの合繊原料販売が好調なマテリアル事業が同22.9%増。「本体の綿糸は定番品を減らしながらサステナブル素材へと置き換えて功を奏している」(八木隆夫社長)。また、主力のアパレル事業もスポーツ商材やアウトドア商材等で復調し、同0.5%増と堅調だった。ブランド・ライフスタイル事業では同2.2%の減収だった。「タトラス」の秋冬商品の卸売分を下期に計上したのが原因で、上期では売上げ、利益ともに減少し、赤字幅が増えて6億2000万円の経常赤字となった。

 今期は中期経営計画「MAKE A DREAM, 1+∞」の最終年度にあたり、引き続き「経営体制の高度化」「事業ポートフォリオの最適化」「次世代事業の創出」「サステナビリティの着実な実行」の4つの重点施策に取り組む。「内部要因の問題を改善し、利益を出していくためには経営体制の高度化が必要。これまでの独立採算、部分最適志向から全社最適志向へと仕組みを変えていきたい。加えて、収益性の高い領域の事業にシフトしていく」(八木社長)。国内素材を使った商材や高付加価値商材など為替に左右されにくいゾーンに重点を置く。現在、来期からスタートする新中期経営計画を作成中で、これらの重点施策をさらに深化させる。

 海外市場向け販売については、テキスタイルECサイト「ファブリー(Fably)」をはじめとしたデジタルプラットフォームとサステナブル素材、ブランドを軸に本格的に取り組んでいく。9月には、世界最大級のデジタル素材ライブラリーを運営する米スウォッチブック(swatchbook)と資本業務提携を締結。「ファブリー」をスウォッチブックのプラットフォームに連携させ、海外へのテキスタイル販売を拡充するとともに、繊維業界のDX化を支援する。

 通期の業績予想は、上期の落ち込みを下期に挽回することで、売上高790億円、営業利益20億円、経常利益22億円、当期純利益11億円を計画している。

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