百貨店も参入し、ここ数年でぐっと数が増えたショールーミングストア。売ることを主目的にしない店で、スタッフは何をしている?ショールーミングストアの先駆け、ベータ(B8TA)渋谷店の齊藤裕希ゼネラルマネージャーに聞いた。(この記事は「WWDJAPAN」2022年11月7日号販売員特集からの抜粋です)
いかにプレッシャーを与えず声を引き出すか
齊藤マネージャーは「コーチ(COACH)」などでの販売員経験もある。「ショールーミングストアは通常の小売りと違い、お客さまに購入というプレッシャーを与えずにいかに商品を体験してもらうかが重要。言葉でいうのは簡単だが、これが難しい」と話す。商品を出展しているブランドや企業にフィードバックするため、客の声も集める必要がある。「同じ商品でもお客さまによって関心を持つポイントは異なるので、毎月、展示商品入れ替えの際にスタッフ同士で商品特徴についてディスカッションし、引き出しを増やすようにしている」という。
商品について、自分が理解している部分や説明しやすい部分だけを推していくのは“接客業あるある”。それが響く消費者もいる。しかし、家電にビューティ用品、食品、車と多ジャンルを扱い、常に40ブランドほどが出展するベータでは、一分野特化型の知識では対応不能。「ブランドに所属しているとどうしてもその商品の良さばかり伝えてしまう。われわれはフラットな目線で接客し、ブランド側もまだ認識してない気付きを出展者へ戻すことが役目」という。
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