ファッション

中学生が作った「ア ベイシング エイプ® 」のスニーカー“ベイプスタ”のペーパークラフト600点を展示

 葛西第三中学校(東京都江戸川区)はこのほど、秋の学芸発表会で「ア ベイシング エイプ®(A BATHING APE®、以下ベイプ)」の定番スニーカー“ベイプスタ(BAPE STA™️)”のペーパークラフトを用いた生徒の作品を展示発表した。このペーパークラフトは、「ベイプ」がコロナ禍の外出自粛要請を受けた2020年に、公式ホームページ(BAPE.COM)から無料で提供したもの。プリントアウトして図面を切り取り、組み立てると完成する。同校美術科の西部亮先生のアイデアで授業に採用され、2年ぶりに平時での展示に至った。

 学芸発表会では、全校生徒によるオリジナルの“ベイプスタ”約600点を展示。「誰かを傷付けなければ何をやってもいい」という西部先生の教えの下、着色だけでなく、人工芝や切手、フェルトなど異素材を貼り付けるなどした多くの個性的な作品が並んだ。展示会場となった教室には、今回のことを耳にした「ベイプ」が、本物の“ベイプスタ”やオリジナルキャラクター“マイロ像”の展示、教室のプレートなどを制作。いつもの雰囲気と違う教室に「かっこいい!」「すごい」と釘付けになる生徒の姿が見え、着ぐるみ姿の“マイロ”が登場すると「きゃー、かわいいー!」と黄色い声援が挙がった。また、優れた作品には「ベイプ賞」なる特別賞を与えて、展示を盛り上げた。

 西部先生は「“ベイプスタ”のペーパークラフトのことを知って、過去に見たアメリカのラッパーがMVで色鮮やかな“ベイプスタ”を履いている姿が浮かんだ。1年生の最初の授業で色の勉強をするので、これを塗らせたら面白そうだな、と。欲を言うともっと面白い作品が出てきて欲しかったが、実は、“自由にやる”のは中学生が一番苦手なこと。『何をやってもいいよ』と言うと途端にみんな手が止まる。展示を見てもう一度作れば、もっと面白い作品が出てくる。だからこそ、他の生徒の作品を見てもらい、 “やられた!”“こういうアイデアがあったか”と感じてほしい。これが来年、再来年と続けばいい」と話す。

 加えてこの取り組みを振り返り、「中学生にとっては、高くて買えないスニーカーかもしれないが、かっこいいブランドのものを作ったという経験になり、とても良い教材だった。従来、学校はおしゃれを排除しようという傾向があるが、それが良い方向に転じて日本のファッションが育てばとても良いことだと思う。世の中の面白いものが学校教育にどんどん入ってくることで、生徒にとってのいい刺激や経験に繋がってほしい」と続けた。

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