スノーピークは10月、米ニューヨーク・ソーホーにあった既存店を、ニューヨーク・ブルックリンに移転オープンした。新店舗は、開発の進むウィリアムズバーグの一等地に構える。店舗面積は約185平方メートルで、1階とロフトエリアで構成し、高い天井と大きな窓が開放的な内装だ。商品はギアが8割でウエアが2割。ギアの比率を高めて、キャンプブランドとしての強みを打ち出す。
前身であるソーホー店は、2015年にアパレル中心の店舗としてオープンした。内田ユウイチ=スノーピークUSA チーフ ブランド オフィサーは「ソーホー店は、ブランドを知らない人にとってのいいタッチポイントになった。一方でアパレルを全面に出したため、キャンプブランドとしての認知度が高まらなかった」と振り返る。ブルックリン店では、テントやバーベキュー用のグリルといったギアをディスプレーするほか、空間演出でギアブランドとしての認知向上を図る。
アメリカは日本よりもキャンプが定着しており、キャンプブランドも多い。その中で同社は、幅広い商品構成に優位性を見出す。「ウエアからギア、小物まで全てのキャンプ用品がそろうキャンプブランドは意外と少ない」と内田氏。ほかにも、新潟・燕三条の金物技術を生かしたプロダクト力も武器になるという。例えば日除けや雨避けに使うタープは、アメリカのキャンプブランドは簡易的なものが多く、「ここまで作り込んだものはなかなかない」。灰が落ちない工夫を施し、グリルとしても使える焚き火台は、「人々が自然と集まる場を作り出せるギアだ」と話す。今後は物販に加えて、キャンプのイベント企画なども行う予定だ。
同社はニューヨークのほか、オレゴン・ポートランドにも店舗を構えている。