「グッチ」や「プラダ」をはじめとするハイブランドは最近、NFT(非代替性トークン)ホルダーを特別に招待するファッションショーやイベントを開催している。「トークン・ゲーティング」と呼ばれる、前衛的な取り組みだ。(この記事はWWDジャパン2022年10月24日号からの抜粋です)
フランスのNFTプラットフォーム、アリアーヌのピエール・ニコラ・ヒュルステル最高経営責任者(CEO)によると、「トークン・ゲーティング」は来年に向けて、さらに増えていくという。アリアーヌはすでに複数回、パリ・ファッション・ウィークでNFTホルダーを招待。「プラダ」や「ジェイソン ウー」は、9月のファッションウイークのチケットをトークンに加え、「グッチ」はNFTシリーズの「スーパーグッチ」と「グッチグレイル」のホルダーに向けて、6月にニューヨークでカクテルを振る舞った。アリアーヌは9月と来年1〜3月のファッション・ウィークで、NFTホルダー限定の体験を提供すべくブランドとの協業を進めている。「NFTは、ブランドが体験をつくり出す上での基盤であり、心強い下支えだ」とヒュルステルCEOは言う。
ファッションウイークを取り巻くNFTコミュニティーは季節ごとに数を増し、ブランド側はその中からコミュニティーを選び、「トークン・ゲーティング」している。デジタルの世界では参加履歴の閲覧も可能で、ブランドはユーザーの「トークン・ゲーティング」への参加履歴をチェック。一方のユーザーは、その履歴を誇っている。こうしてブランド側は、オンラインと現実世界の差を解消する方法を見つけながら、NFTコミュニティーを発展させるのだ。ヒュルステルCEOは、「オンとオフの比較・検証は、バブルに似た状態にあるNFTの世界で冷静に立ち居振舞う上でも有益」と話す。
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